第2回 今話題の新しいウォーキング ノルディック・ウォークってなんだろう?
羽立工業株式会社 ウェルネス事業部 美和
ノルディック・ウォークとは
ノルディック・ウォークは、2本のポールを持ってクロスカントリースキーのように行うウォーキングで、北欧フィンランドが発祥の地です。
1930年代からフィンランドでクロスカントリー選手の夏場のトレーニングのひとつとして使われていました。
1990年代後半からは手軽さと高い運動効果が注目されはじめ、一般の人でも楽しめるスポーツとして普及し、日本はもちろん全世界に急速に広がっています。
スタイルと運動強度 ※運動強度=身体への負荷のかかり方
健康づくりや体力の維持・向上には、自分の体力や目的にあった強度の運動をする事が大切です、ノルディック・ウォークで、スポーツ・トレーニングから運動療法に至るまで目的にあったウォーキングを楽しみましょう。
ノルディック・ウォークは世界的にも最も効率の高い全身運動と認められています。これまで、スポーツやトレーニングとして活用され、アクティブなウォーキングスタイルとして効果・効能が立証されてきました。
ノルディック・ウォークの普及団体である全日本ノルディック・ウォーク連盟では、ノルディック・ウォークを医学的に検証する専門機関(学術委員)において、運動療法として活用できる歩行方法(ディフェンシブスタイル)を開発し、運動強度別スタイルを確立しました。
ディフェンシブスタイルでは、膝の痛みがあり歩行に支障がある方も両手にポールを持つことにより、膝への負担を軽減し歩きやすくなります。
【歩き方一覧】
ノルディック・ウォークの効果
2本のポールを交互に地面について歩くことで、自然に上半身も使い全身運動になります。ウォーキングと比べると消費カロリーが20%もアップします。
しかも、腰、膝、足首や関節等にかかる負担は大きく軽減でき、体感的には楽に感じるのが最大の特徴です。
高齢者や衰えた筋肉を向上させる為のリハビリでの活用、病床から離床される際の安全確保や転倒予防に、リハビリ医療、介護現場での活用が話題になっています。
全日本ノルディック・ウォーク連盟では、様々な専門家が、安全かつ効果的にウォーキングを行うためのプログラムを開発しています。
【医療系大学の取り組みをご紹介します】
藤田保健衛生大学 医学部 健康科学
医学博士・体育学修士
若月 徹
「私が所属する藤田保健衛生大学医学部健康科学では、医療現場で必要な体力、コミュニケーション能力、チームワークなどを総合的に学習するカリキュラムのひとつとして、ノルディック・ウォークを紹介しています。
医療の現場で、健康管理、健康指導を行う場合、ウォーキングや水泳をお勧めするのが一般ですが、水泳は場所・時間・移動手段など問題が多く長続きしないのが現状です。ディフェンシブスタイルでのノルディック・ウォークは全身運動で効率的かつ、運動強度も適しています。転倒防止などの安全性が高く、運動器障害のある方でも手軽で簡単に行えます。また、ウォーキングを習慣的に行っている人にはポールを用意するだけなので導入が容易です。
簡単・安全・効果的なノルディック・ウォークは、運動指導するには最適なツールであると思われます。
従って、医療系大学でノルディック・ウォークを紹介する意義は大きいと思います。今後、授業への本格導入を目指します。」
次回は、ノルディック・ウォークの楽しみ方や体験会などをご紹介します。