西村渚のほんわか日暮らし 第9回
忘れないで帰ってきてくれてありがとう。
先日、1泊2日で東北へ復興応援ツアーに行ってきました。このツアーは、東北復興の今を伝えるラジオ番組から誕生した応援ツアーです。宮城県出身のパーソナリティを中心に40人ほどで行ってきました。昨年のツアーでは、震災直後の、同じ日本なのかと思うような瓦礫で埋め尽くされた風景こそありませんでしたが、そこらかしこに事実を物語る爪痕が深く深く残されていました。その中でも強く前を向いて生きていこうとしている人々にお会いしました。桜の苗木を植えて公園を造り始めた人、イチゴの一大産地だった町の復興はイチゴだと、イチゴづくりを再開した人、「ゆれたら逃げろ、決してもどるな」と語り部ボランティアを始めた人、震災直後に開局した臨時災害ラジオ局の人、町の立て直しに努める役場の人。みんなが外から来た私たちに言ってくれたのは、「こんな被災地に来てくれてありがとう」「本当に多くのみなさんに助けてもらって、お礼を言わせてください」と。でもそういってくれた人たちは今も「生きていていいんだろうか」と、自問自答を繰り返しています。私は「また来るね」と約束することしかできませんでした。ツアーから半年、
私たちは約束通り同じところ、同じ人に会いに行ってきました。数センチ伸びた桜の周りに紫陽花を植え、震災後初めて実ったイチゴを味わいました。ツアー参加者の半分ほどが連続参加で、みんなで「ただいま~会いに来たよ~」なんて。「忘れないで帰ってきてくれてありがとう。」まるで親戚が増えたよう。
支援だ、なんて肩肘張らなくて、ただ会いに来るだけ、遊びに来るだけっていうことがこんなにも気持ちを結びつけるんだなって・・・。
「今度は冬にくるね。」