西村渚のほんわか日暮らし 第7回
勇気の出る魔法の言葉
豊橋はつまらない。何にもない。元気がない。と何かにつけて言ってきたのは大人たちです。「どうせ、今の若い子たちは・・・」「しょせんあいつらには・・・」と必ず否定的な言葉を言い続けてこの街を動かしてきた、動かしている大人がいます。もちろん全ての方ではありませんが、否定的な言葉はキツイです。言葉で聞いても、活字を見ても、決していい気分ではありません。そんな言葉をつけると、本当に伝えたいことが伝わらなくなります。それどころか本当につまらないのは街ではなく、その言葉を発したその人こそがつまらない。そう感じたのは20年ほど前。40歳になった私は今でも“つまらない大人”になりたくないと思っています。
2月に行われたあるイベントでコーディネイターという役割を仰せつかりました。司会を頼まれることはあっても、コーディネイターは初めての経験でした。ホテルを会場に約100名のお客様に東三河の食材を活かした料理を食べていただくという食のイベントで、今回で2回目の開催。1回目の開催が大成功であったため、2回目の結果で終わりを迎えてしまうのか、3回目に繋げる事ができるのか・・・この東三河を美味しく楽しくできる素晴らしいイベントなだけに、初めのうちは夢いっぱい、希望もいっぱい。しかし、その責任の重さが自分だけでは抱えきれなくなってきたのはイベント開催の1ヶ月ほど前。様々な立場の方の意見も取り入れまとめようとしても、まとまらない。思い通りにならない、否定される、断られるの連続。その頃の私は「なんで、どうして、だって」と言い訳地味た言葉を口にし、責任転換しようとしていたり、私はこんなにもやっているのに。悶々としていました。そんな時、あるオーナーシェフが言いました。
「なぎちゃん、絶対成功させよう!」
自分はどれだけ魂が入っていないのか・・・思い通りにならない、YESって言ってくれないのは、イベントや私を否定しているのではなく、イベントをよりいいものにしようと、真剣に考えてくれている証拠。「いいね!」って返事が返ってこないのは、私に情熱が足りないから。つまらない大人どころか、見苦しい私。営業終了後毎日、何度も何度も試作を重ね、完成した料理を一口食べさせてもらったとき、
「うまいら?絶対成功させるでね!」この時、目が醒めました。こんなにも協力してくれている人たちがいるのに、その姿さえ目に入っていませんでした。絶対やる。何が何でもやる。最後までがんばる!本気でやる。自分に負けない勇気の出る魔法の言葉でした。