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西村渚のほんわか日暮らし 第5回

笑顔の裏には・・・

ほんわかno5

「揺れたら逃げろ!決して戻るな。」これだけは憶えてお帰り下さい。そして1人でも多くの人に伝えて下さい。

先日ラジオ番組の企画で訪れた宮城県亘理(わたり)郡亘理町の被災語り部の会「ワッタリ」のお2人の言葉です。

9月29日から、2泊3日で東日本大震災復興応援ツアーに行ってきました。仙台を拠点に初日は北上し女川(おながわ)町で公園作りのボランティア活動、2日目はリスナーさんや豊橋市内の企業さんから預かった応援金を直接届けるため、南下して山元(やまもと)町と亘理町を訪れ、被災地を見学し、様々な立場の方のお話を伺いました。大震災の時は本当に多くの皆さんに助けていただいてありがとうございました。遠くからお越しいただいてありがとうございました。応援の手を差し伸べてもらって、人は優しいんだとこんなに嬉しかったことはない。ありがとう。と、どれだけたくさんの「ありがとう」をいただいたことでしょう。

語り部の会のお2人が話してくださったのは亡くなった町民の実例。警報が出ていても戻ってのみ込まれた家族、何度迎えに行っても応じなかった親子、せっかく非難してきたのに子どもの目の前で車ごと津波にのまれていったお父さん、川を逆流してくる津波を見に行ったっきり戻ってこなかった人々。「ね、皆さんは忘れないでね、揺れたら逃げろ!決して戻るな。最後まで聞いてくれてありがとうね。」優しくってあったかい笑顔でした。

私が何度東北に行こうと、何度話を聞こうと、被災者の方たちの気持ちをわかる時はないと思います。でも、東北で初めて会った人たちは、初めて会った私を通して、合う事のないかもしれない応援してくれている大勢の人にお礼を言っているのだと思うと、笑顔の裏に強く持つ【生きていく使命感】のようなものを感じずにはいられませんでした。そして「ありがとう」の言葉の温かみを実感したのでした。

西村渚 写真

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