第5話 質の良い睡眠は、適度な運動をする「時間帯」が重要
昼間によく動いた日は、 夜ぐっすり眠れます。
今回の章では、その時間帯が睡眠にどのように影響して、どんな生活リズムが程よく眠りを誘発できるのかを解説させていただきます。
適度な運動が良い睡眠につながる事は皆さんご存知ですよね。
でも、夜の9時以降にエアロビクスや筋肉トレーニング、マラソン等、激しい運動を行うと、良い睡眠が妨げられ不眠になる事があります。「健康増進のために仕事が終わったあと会費も安いんで」なんて、アクティブシニアの方に多い傾向ですよね。しかし、数日もすると昼間とても眠いなんて事にもなったりします。
では、なぜ激しい運動を遅い時間帯にすると昼間眠くなるのでしょう?
これは睡眠のメカニズム(体内リズム)を知っておくと合点がいきます。
体温は朝から徐々に上昇して、午後4時~5時頃から眠る前に一日で最も高くなります。その後、眠気が増大し「体温の下降とともに」寝付きに付きます。
これは「ヒトの眠りの準備」なのです。冬山で遭難した時に「眠ると死ぬぞ!」なんて言われますが、体温の低下が眠りを誘発するのです。
夜の9時~10時頃に体温が低下して、体内リズムによって体は勝手に眠りにつく為の準備を開始します。 そんな時間帯に激しい運動をすると、交感神経が刺激され体温は上昇してしまい、眠気もなくなります。
布団に入っても体温低下に時間を要してしまい、結果として入眠時間が遅くなってしまうのです。
そうすると、翌日の活動時間にぼ~っとしてしまい、昼間居眠りの原因となってしまうのです。
睡眠健康指導士が推奨する 適度な運動の「時間帯」
最近の研究で、良い睡眠を得るには、体温を上昇させる激しい運動を朝や夕方に行うよりも、夕方5時~6時に夕食をすませてから、あまり遅くない時間帯にワンちゃんのお散歩やウォーキングなどの適度な運動を定期的に続ける事が、体温と睡眠の関係からもっとも有効であるという事がわかっています。
運動も時間帯を考えて行うと、良い睡眠がとれて快適ライフを送れるってことですね!
次号では「寝溜め食い溜めは長くもたない。」をお贈りします。