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西村渚のほんわか日暮らし 第6回

厳粛なふりして気になるお年玉。

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お年玉をもらう立場から、あげる立場になって早くも20年・・・。

世間に踊らされてたまるか!という両親、いえ、父親の方針の下、私が育った家にはサンタクロースは一度も来たことがありません。いただきもののクリスマスツリーも、飾り付けで喧嘩をしたため、翌日には捻じ曲げられあっさり捨てられてしまいました。今でも切ない思い出です。外国ではとても大切な文化の一つですが、仕方ありません。とはいえ、日本にはお正月があり、お年玉という文化があります。サンタさんが来ない西村家3姉弟にとっては楽しみで仕方がありません。年末から母がおせちを作り始めます。

もちろんお手伝い!お年玉のためです。栗きんとん用のサツマイモをヘラで丁寧にこしていきます。この作業がきらいできらいで。でも、がんばって最後までやります。お年玉のためです。倉庫から漆のお膳を出してきます。倉庫は寒いし、重いので行きたくありません。けど行きます。お年玉のためです。玄関を掃除し、雑巾でドアなど水拭きします。手がかじかんで切なくなります。でもがんばります。お年玉のためです。元日の朝、和室に膳が並び母のおせちが並びます。お屠蘇が注がれ「明けましておめでとう、今年も家族が元気に・・・」と父が話を始める。(座布団の下かな?袂があやしい・・・。どっこい、お母さんが持っていたりして?)父の話よりも、お年玉のありかが気になります。足がしびれてきた。お父さん話長いな。「・・・ということで、いただきましょう。」なかなか出てこないお年玉。食べながらも、おせちの一品一品についての話が続く。少しお酒が回ってきて気分がよくなったころ、ようやく、ようやくお年玉がっ。ピン札の滑らかなこと。新札のにおいも好き。貯金をしなさいと、取り上げられるまで、折り目のないピン札を眺めているのが好きでした。

あれから20年、お年玉袋を選ぶのが年末の楽しみ。もちろんピン札に変えてもらうために銀行に行くのも楽しみ。来年、成人式を迎える姪には最後のお年玉。私が幼かった頃のように厳粛な、という雰囲気はなくなり、ほとんどが簡易化されてきているような日本のお正月。けれど、お年玉だけは簡易化されませんね。今度のお正月も、お年玉のタイミングを待ち焦がれている姪っ子甥っ子を見るのが楽しみです。

 

 

西村渚 写真

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