注目される農業生産法人
現在、なんと国内人口の約3%の人々のみで日本の食糧の大半を支えており、しかも、農業に携わっている人の平均年齢は、66歳弱で、35歳未満は5%と高齢化、後継者不足が問題となっています。
農業生産法人とは?
ワライフをお読みの方で『農業をやっているが後継者がいない』、『最近年をとったのか、だんだん作業が辛くなってきた』とお悩みの方もいらっしゃると思います。そこで、今回は農業従事者の高齢化や後継者不足の問題を解決することができると言われている『農業生産法人制度』について書いていきます。
『農業生産法人』とは、その名のとおり、個人としてではなく、農業をやっている方々が集まって団体を作り、農業意欲のある人を雇って農業を行い、耕作範囲を広げてもっともっと農業を繁栄させていこうという団体です。『農業生産法人』は一個人として農業を行う訳ではありませんので、役員や従業員の中からやる気のある有能な後継者を確保することが容易に行うことができます。
農地の有効活用や今まで培ってきた技術を後世に残すことが可能
農業生産法人は、わざわざ自分の家族から後継者を探す手間も省けますし、後継者がいない場合に農業を諦める必要もありません。これは農地の有効活用もできますし、今まで培ってきた技術を後世に残すことが出来ます。
高齢化の問題解決も
若い人や海外からの研修生を雇い農業を法人として行うことで、高齢化の問題も解決できるというメリットがあります。その他には、家計と経営が分離され、財務諸表から経営管理が容易にできるようになることや、組織として農業を行うことで、明確な役割分担をすることが出来るため、事業の拡大ができます。
しかし、複式簿記による記帳や決算が義務になったり、売上が赤字でも地方税の均等割の納付が必要となる等のデメリットがありますが、近年、高齢化や後継者不足の深刻化により、『農業生産法人』の設立が増えています。
農地を計画的に
農業従事者の高齢化や後継者不足だからといって『農業生産法人』を設立し、農業を継続していくことが一概に良いとは言えません。
今騒がれているTPP加盟するかどうかもありますが、日本の農業は世界的に見て、国土の問題もあり、その競争力は低いです。しかし、安全で質の高い日本の食材は、消費者ニーズは高いですから、徹底したコスト管理をはかり、海外からの安いだけの食材に対抗することや今つくられている日本の食材の高級化をはかり、それらの安いだけの食材との差別化をはかることも農業生産法人であれば可能です。
このように農業をビジネスとして捉え、戦略的に経営していくためにこの『農業生産法人』をご検討されてもよいでしょう。
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筆者 行政書士那須法務事務所
藤本 浩志
TEL 0120−961−278
弱冠26歳だが、農業生産法人、農地法の専門家で、 今までそれらの手続を数多く手がけ、農地法に関わる 手続や農業生産法人の運営などの手法には定評があり、 農家の高齢化や後継者不足、TPP加盟が問題視される中、 日本の農業の発展を望み、日々研究している。