睡眠指導士から”おやすみ”に代えて… 第13話
睡眠健康指導士上級・睡眠環境診断士・フードコーディネーター城田 如水
不眠症に苦しみ睡眠薬の依存により体調を崩す。笑って暮らせる生活リズムを
身につけ不眠症を克服。今では睡眠改善の研究家として大学と共同研究中。
高齢者はなぜ眠れない?
「よく眠れない!」若いころは全然そんな事なかったのに。。。
高齢者になると睡眠時間は短くなるという事は、昨年に改定された国の睡眠指針でもふれてあります。
理由
① 睡眠の質の変化
⇨睡眠が浅くなり、中断して細切 れ状態
② 基礎代謝量の減少
⇨加齢とともにエネルギー消費量 が減り若いころよりも睡眠時間も 必要でなくなる。
アドバイス
もしも眠れないことで悩んでいるお年寄りが身近にいたら、睡眠時間の長さにこだわるよりも「睡眠の質」が大切で、「朝にシッカリと太陽を浴びて、昼間にしっかりと体を動かすと、人間の体は夜に良く眠れるようにできているんですよ」と教えてあげて下さい。
それでも眠れない
昼間の活動をしても布団に入ってから数時間も眠りにつけない。そんな症状の場合はもしかしたら睡眠障害の病気かも知れないと疑って下さい。早期に解決したいですからね。
高齢者に多い2つの病気
「むずむず脚症候群」
・布団の中でじっとしていられない。むずむずする。かゆい。痛い。虫がはっているような感覚
・夜よく眠れない。昼間にとても眠たい。
⇨鉄欠乏や神経伝達物質の低下
「レム睡眠行動障害」
・夢を見ている内容に沿って体が動いてしまう。
・睡眠中にむくっと立ち上がる。大きな声を出す。
⇨神経系の病気(パーキンソン病 等)の前駆症状の可能性がある。
悩むよりも、とにかくまずは睡眠障害を解決できるクリニックの受診をお勧めします。ドクターの処方指示に従って原因をしっかりと納得した上で、良い睡眠ライフにしたいものです。参考ですが睡眠薬は「ボケる」とか「癖になってやめられない」などといった昔の印象とは大きく違い、最近の薬は習慣性も少なく、頭がボケることもありません。
友として健康維持
人生の3分の1は布団の中で過ごしております。できる事ならば古来にはなかった薬には頼りたくはない。それは誰もが思う共通認識かも知れません。しかし気分がすぐれず昼間とても眠く、何をやってもおもしろくない。そんな人生よりも、最新の医療技術を活用する事で悩みが消えるかも知れません。
艶々とした84歳
「眠り薬を友としてあくる日までの安らぎうれし」これは祇園のお茶屋の女将からいただいた句です。彼女の肌は艶々としており84歳とは思えない若さと頭の回転の良さにビックリしました。女将さんは毎晩、睡眠薬を半錠ずつ飲んでグッスリ眠っているとの事。
薬をうまく使って、健康を維持しているのです。