シニアの知って「得」する国の制度 第14回
国民年金。もらえる金額少ないから1円でも増やしたい!!
付加年金で金額を増やす
国民年金の保険料を20歳から60歳まで40年(480月)納めて、65歳以降もらえる老齢基礎年金は780,100円(平成27年度)。1か月あたり65,000円くらいです。しかも、ここから介護保険料などの天引きもあるので、手取りはもう少し減ってしまいます。「満額」がこの額なので、お世辞にも「年金で生活できる」とは言えません。
そこで、国民年金の保険料を納付する自営業者等の「第1号被保険者」限定の「付加保険料」というものがあります。読んで字の如く、通常の保険料に掛け金をほんの少しだけ付け加えることになります。これにより、本来の額より少しだけ多くもらうことができるのです。
いくら払って、いくらの効果がある?
付加保険料は月額400円であり、通常の国民年金保険料に上乗せして納めます。国民年金の保険料は毎年保険料額が変更され、ほとんどの場合金額が上がっていきますが、付加保険料はそれには影響されず「固定で400円」です。もらう場合も、老齢基礎年金本体は物価などの関係で上下しても付加年金としてもらえる額は影響なく定額です。
仮に10年間(120月)付加保険料を納めると、その10年間の総額は400円×120月=48,000円になります。この「納めた総額の半分が65歳からもらえる老齢基礎年金に上乗せ」されるため、この場合であれば毎年の上乗せ金額は24,000円となります。65歳から66歳で年間24,000円が付加年金として支給され、以降亡くなるまでずっとこれが続くことになります。
ということは、この付加年金を2年もらったら払った額ともらった額が同額となり、「2年で元を取れる」という計算になります。国民年金の保険料本体はここ数年1か月あたり15,000円くらいですが、これを10年納めたとすると15,000円×120月=1,800,000円です。この180万円の元を取るには9年以上かかるのに比べ、格段にお得です。
どうやったら利用できる?
窓口はお住まいの市区町村を管轄する年金事務所、お住まいの区役所、市役所、いずれでも手続きが可能です。例えば、8月に手続きをすれば8月の分の付加保険料から納付できます。すでに年間の額をまとめて払ってしまった場合でも、8月から翌年3月まで400円の付加保険料だけ個別に納付することができます。しかし、8月に手続きをした場合、それより前の7月や6月の分は納めることができません。また、保険料を免除されている場合はこの付加保険料の納付はできません。半額免除などの一部免除も同様です。
やるだけの価値があるかどうか「微妙」と思われるかもしれませんが、「投資効率」は間違いなく高いです。400円の追加払い、せっかくなら検討してみてはいかがでしょうか。
国民年金の保険料を納付する場合、まとめて払うと少し割引があります。次回はこの割引についてのお話です。
「納めるのを忘れる」「銀行などに行くのが面倒」。心当たりの方、必見です。