インタビュー 介護の現場から 幸田の家
地域への恩返し
和風な落ち着く木造平屋建てで 包括的に地域をサポート
愛知県幸田町の住宅型有料老人ホーム「幸田の家(うち)」の代表、中川さんにお話を伺いました。
—施設運営のきっかけは?
もともと私は車関係の設計から家業の町工場とエンジニアとしての道を進んできました。町工場は父の会社で、町工場といえど50年近くこの地元で仕事をさせていただいております。
しかしながら、リーマンショック等の社会情勢に大きく左右され、大型受注が激減する中、資材置き場が数年以上活用されない状況が続きました。
会社としても不採算な部分は切り詰めなければならず、困っていましたがなかなか売却等もままならず、それならば自分自身で、地域貢献もできる事業を!幸田町にも必要であり、この地域に恩返しもできることを!と考え方を変えたことがきっかけです。
—拘った点は?
起業は1事業でも大変ですが、今回同時期に老人ホーム・訪問介護・訪問看護の3事業を立ち上げ、規模は小さくても包括的に支えられる環境を作りたいと考えました。
拠点となる老人ホームは、自分の祖父母が生きていたらどんな風にしたかったか?また自分が歳をとったらどうしたいか?そんな事を考えていました。
和風な感じ、昭和な雰囲気を出したかったんです。それでいて必要以上に明るくするのではなく、どちらかというと日本人独特の落ち着く感じ。そしてご家族がいつでも立ち寄れるように考えたい。お孫さんも含め団欒があるそんな空間が必要だと考えました。そのコンセプトから、木造平屋建てに拘り、施設内空間も伸びやかに広がりのある形を取り入れました。
そして終の住まいには癒しも必要です。静かな環境の中、近くを流れる柳川には水仙の花が咲き誇り、眼前に広がる田園は四季の移ろいを感じさせ、穏やかな時間の変化を楽しめます。そして冬には薪ストーブの炎の揺らぎで身も心も癒されて頂きたい。
またこの地域は近くに移動するにも車を使います。ご家族やお友達、どなたも気兼ね無く寄って頂くためにも、十分な駐車場台数の確保も絶対必要と拘りました。
—今の仕事で大変な事は?
どんな仕事も大変ではない仕事ってないと思います。真剣に取り組めば取り組む程、奥の深い仕事だと思いますし、いつも同じとは限りません。
どんな変化にも柔軟に対応できる様にスタッフ一同で常に考えて、ひとつずつ改善する様に取り組んでいます。
—やりがいを感じるときは?
何と言ってもご利用者様に喜んで頂けた時、ご家族の笑顔が見られた時。
そして気持ちに応えることができた時の従業員の顔を見た時ですね。
—これからの目標、将来の夢は?
まだ弊社は始まったばかりですが、地域の介護・看護を含め、同業の方々だけでなく、医療、薬局、行政に至るまでいろいろな事業者様方と連携を取り、地域に対して包括的にやっていけたらと思っています。
住宅型有料老人ホーム 幸田の家
代表取締役
中川靖貴さん