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平成29年度介護制度の改定について

平成29年度介護制度の改定について

介護人材の処遇、月1万円相当改善

介護人材について他産業との賃金差の解消のため、平成29年度より臨時に介護報酬改定により実施することが政府決定されました。介護人材の処遇として①キャリアアップの仕組みの構築、②月額平均1万円相当の改善が主な柱です。

男女看護師

昇給に結びつくキャリアアップ

平成29年度介護報酬改定で目を惹くのは、事業者による昇給と結びついた形でのキャリアアップの仕組みの構築について手厚く評価を行うための区分を新設することにあります。
現在のキャリアパス①職位、職責、職務内容等に応じた任用要件と賃金体系の整備、②資質向上のための計画を策定して研修実施または研修機会の確保のほか、新たなキャリアパス③経験もしくは資格等に応じて昇給する仕組み、または一定の基準に基づき定期に昇給を判定する仕組みを設けることが要件として加わりました。

年数、資格などを考慮

新たなキャリアパス要件の取り組み例として①「経験に応じて昇給する仕組み」は「勤続年数」、「経験年数」などに応じて昇給する仕組みを想定。例えば一般企業にある定期昇給や他社での職歴も勘案する前歴換算などにあたると思います。②「資格等に応じて昇給する仕組み」は「介護福祉士」、「実務者研修修了者」などの取得に応じて昇給する仕組みを想定。③「一定の基準に基づき定期に昇給を判定する仕組み」は「実技試験」、「人事評価」などの結果に基づき昇給する仕組みを想定するなどがあげられます。近年、飲食チェーンをはじめ他業種でもスキルアップを目的に社内の技能検定をおこない「○○マイスター」「○○主任」などの職位を設け、それに応じ昇給、手当てなど加算されれ仕組みがあります。

非正規職員への対応、実効性の確保などの課題

上記の処遇改善加算については、常勤・月給の職員に比べ、非常勤・時給の職員への効果が低いのでそこへの対策の必要性や、キャリアパス要件を含め実効性を確保する必要性などの声があります。

例外的かつ経過的な取扱い

新たな措置としての月額平均1万円相当の処遇改善が介護人材の賃金改善が確実に結びつくことが重要であるとの考えから加算の対象職員、対象費用の範囲についても今回の改定では現行のままとされました。今回の措置は例外的、経過的な取扱いとされ、更なる処遇改善の検討、恒久的な在り方の検討などなど今後の議論が求められます。

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