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消防法改正に係る消防用設備等の設置について

近年、社会福祉施設等で死傷者の発生する火災が相次いだことを受け、当該施設における防火対策の強化を目的に、消防用設備等の設置基準が見直されるなど消防法が改正されました。
期日までに必要とされる消防用設備等を設置されない場合は、消防法令違反となり、消防職員が立入検査を実施した上で、改善指導又は命令を行うことがあります。(平成27年4月1日施行)

1設置基準が見直された消防用設備等

■スプリンクラー設備
火災が発生した部分の天井面等に設置されたスプリンクラーヘッドから水を放水し消火する設備

■自動火災報知設備
天井面等に設置された感知器によって火災の発生を感知し、その旨を建物内にいる利用者にベル等により知らせる設備

■火災報知装置
起動ボタンを押すことで、自動的に119番通報を行う装置

■消火器

 

改正法令の施行日と既存施設の経過措置(新設施設については猶予期間なし)

平成27年4月1日施行

●スプリンクラー設備の設置【6項ロ】※用途区分については次項を参照ください。

●自動火災報知設備の設置【6項ハ】

●火災通報装置の設置【6項ロ】

●既設の火災通報装置の自動火災報知設備との連動化【6項ロ】
猶予期間 平成30年3月31日までに設置
※施設の安全確保のため、可能な限り早期に設置してください。

 

■用途区分の見直しに係る経過措置(既存防火対象物への既存遡及の猶予期間)
・消火器具……平成28年3月31日
・スプリンクラー設備、自動火災報知設備、火災通報装置……平成30年3月31日まで

 

2用途区分について

消防用設備等の設置基準は、建物の用途ごとに規制されており、消防法令では(1)項~(20)項に用途区分されています。その中で社会福祉施設は(6)項に区分されます。

(1)消防法施行令別表第1 (6)項(抜粋) (平成27年4月1日施行)

・6項イ 病院、診療所又は助産所

・6項ロ 

  1. 老人短期入所施設、養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム(介護保険法(平成9年法律第123号)第7条第1項に規定する要介護状態区分が避難が困難な状態を示すものとして総務省令で定める区分に該当する者(以下「避難が困難な要介護者」という。)を主として入居させるものに限る。)、有料老人ホーム(避難が困難な要介護者を主として入居させるものに限る。)、介護老人保健施設、……(略)
  2. 救護施設
  3. 乳児院
  4. 障害児入所施設
  5. 障害者支援施設(障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成17年法律第123号)第4条第1項に規定する障害者又は同条第2項に規定する障害児であって、同条第4項に規定する障害支援区分が避難が困難な状態を示すものとして総務省令が定める区分に該当する者(以下「避難が困難な障害者等」という。)を主として入所させるものに限る。)又は同法第5条第8項に規定する短期入所若しくは同条第15項に規定する共同生活援助を行う施設(避難が困難な障害者等を主として入所させるものに限る。ハ(5)において「短期入所等施設」という。)

・6項ハ

  1. 老人ディサービスセンター、軽費老人センター(ロ(1)に揚げるものを除く。)、老人福祉センター、老人介護支援センター、有料老人ホーム(ロ(1)に揚げるものを除く。)、老人福祉法第5条の2第3項に規定する老人ディサービス事業を行う施設、……(略)
  2. 更生施設
  3. 助産施設、保育所、児童養護施設、児童自立支援施設、……(略)
  4. 児童発達支援センター、情緒障害児短期治療施設又は児童福祉法第6条の2第2項に規定する児童発達支援若しくは同条第4項に規定する放課後等ディサービスを行う施設(児童発達支援センターを除く。)
  5. 身体障害者福祉センター、障害者支援施設(ロ(5)に揚げるものを除く。)、地域活動支援センター、福祉ホーム又は障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第五条第七項に規定する生活介護、同条第八項に規定する短期入所、同条第十二項に規定する自立訓練、同条第十三項に規定する就労移行支援、同条第十四項に規定する就労継続支援若しくは同条第十五項に規定する共同生活援助を行う施設(短期入所等施設を除く。)

・6項ニ 幼稚園又は特別支援学校

 

3消防用設備等の設置基準の見直しについて

(1)設置の見直しを要する消防用設備等(用途区分別)

※以下の(新)はすべて平成27年4月1日施行

  • ①用途区分が6項ロの場合(以下A~C)

Aスプリンクラー設備

(旧)延べ床面積275㎡以上

(新)介助がなければ避難できない者を主として入所させる施設(※1)は全ての施設
上記以外は延べ床面積275㎡以上で変更なし
※1 介助がなければ避難できない者…認定調査項目(平成26年厚生労働省令第5号)別表第1に掲げる項目(「移乗」、「移動」、「危険の認識」、「説明の理解」等)で一定の要件に該当する者。

 

B自動火災報知設備

(旧)全ての施設

(新)変更なし

 

C火災通報装置

(旧)全ての施設

(新)自動火災報知設備の感知器の作動と連動して起動させること

 

  • ②用途区分が6項ハの場合(以下D~F)

Dスプリンクラー設備

(旧)平屋建以外で延べ床面積6000㎡以上

(新)変更なし

 

E自動火災報知設備

(旧)延べ床面積300㎡以上

(新)利用者を入居、又は宿泊させるものは全ての施設
上記以外は延べ床面積300㎡以上で変更なし

 

F火災通報装置

(旧)延べ床面積500㎡以上

(新)変更なし

 

(2)消火器の設置基準

消防法施行令別表第1(6)項ロに該当すると、全ての施設(面積要件なし)に消火器の設置が必要になります。(6)項ハは、従前どおり延べ床面積150㎡以上で設置を要します。

 

(3)用途判定フロー(消防法施行令別表第1(6)項ロ又は(6)項ハ)

  • 障害福祉施設(以下①、②)

①入所施設(以下A,B)
A該当施設…6項ロ(2)の救護施設⇒6項ロ

B該当施設…6項ロ(5)の障害者支援施設、6項ハ(5)の短期入所若しくは共同生活援助を行う施設(グループホーム)→障害支援区分4以上の者を概ね8割を超えて入所させる施設に該当するもの⇒6項ロ、該当しないもの⇒6項ハ
②通所施設
 C該当施設…障害福祉センター、域活動支援センター、就労支援施設、等⇒6項ハ

 

 

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