成人期の発達障害 障がい福祉の基礎知識⑤
成人期とは
エリクソン(Erikson.E.H)心理-社会的発達論
青年期の課題 アイデンティティ(自我同一性)の確立
成年期の課題 親密性・連帯/孤立化(危機)
環境の変化が大きい時期
・進路や仕事といった人生の選択
・親主導の支援から、本人の主体性を尊重した形への移行
・不安定になりやすい時期
※発達のスピードは人それぞれです。
「自分らしさ」を形成していく過程
・自分らしさとは何か?
・自分はどのような特性を持つ人間であるか?
を考えることで
⇒自己理解を深めます≒障害の理解
自分らしさ←「他者(友人、仲間)に映る自己」を意識する。
社会の中での自分の役割を考える。
※発達障害の人は他者との関係で自己を捉えることが苦手です。
(コミュニケーションが苦手、共感や暗黙の理解が得にくい)
アンとサリーの実験
サリーはどちらからパンをとりだそうとするでしょうか?
自閉症者の80%は、サリーは事実を知らないから、最初にかごを開けてみるということが予測できずに、「アンの箱をさがす」と答えました。自閉症の人はパンがどこにあるのかという事実に注意がいき、「サリーにとってパンはどこか」とサリーの立場になって考えることが苦手とされています。
「心の理論」(他者の心の状態、目的、意図、知識、信念、志向、疑念などを推測する心の機能)
…自閉症の人は苦手と考えられています。
※「直観的心理化」「命題的心理化」…アンとサリーの実験で、健常児では4~5歳になると入っていないサリーのバスケットを指しますが、理由を言えず直観的に理解しているようにみえるのが「直観的心理化」で、6歳近くになるとバスケットと答えた上で、理由付けもでき「こういう場合はこう考える」と他者の心に関する命題を言語的に持っているようにみえるのが「命題的心理化」です。
成人になるまでの過程によっては
・失敗体験
自己肯定感の低下しがちです。
苦手意識が強く、新しいことをしようとしない傾向があります。
・注意されることが多い
人への不信感、警戒心を抱きがちです。
対応の誤学習が多くあります。
人任せ(自主性の欠如)の傾向があります。
・二次障害(精神的な病気など)
・理想と現実のギャップに悩む
成人期の状態像…障害の特性+成人期の課題+過去の経過
成人期の支援…障害の特性の理解、本人主導の社会適応への支援
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