【キラリ図鑑】第2回 三浦晃靖さん・田恵さん ご夫妻(平成25年夏号掲載)
第2回 三浦晃靖さん・田恵さん ご夫妻
年齢に関係なく、打ち込めるものを持ってキラキラ輝いている人たちを紹介する「キラリ図鑑」。
豊 川市八幡町弥五郎にあるギャラリー「やごろう」は三浦さんのご自宅に併設された7坪の展示室。大きな窓から陽光が差し込む、とても明るいスペースです。 オープンして今年で3年目。会社を退職後、ギャラリーをオープンしたきっかけを伺うと「終の棲家を新築するついでに、私のわがままで造ってしまいました。 初めのうちは折角長年続けてきた自分の版画作品などを飾るためのスペースでした」
三浦さんの版画歴は長く、最初の作品は高校1年生の時。着物姿の女性の色刷り版画で年賀状用に作成した物。この処女作もちゃんと展示されています。それか ら47年分の年賀状をすべて版画で仕上げ、年代を追って技術も格段に向上してゆくのが分ります。そのうち45年分が展示されていますが、どれも非常に緻密 で芸術性が高く、彩色にもセンスの良さが感じられます。題材は干支の十二支や三河国分寺、財賀寺仁王門などの地元の文化財、出張や旅行で訪れた国内・海外 の名所風景など。写真などを元にして図案をデザインします。
「最初の構想から仕上がりまで、3ヵ月くらいかかっているものもあります。ほかにもいろいろ用事がありますので、版画だけにかかりっきりではありません が」とおっしゃる三浦さんは地元の町内の三役(会計)を任された後、町内区議員となり、それ以後「八幡地域福祉会」「八幡桜を育てる会」などのボランティ アメンバーとして地域に貢献、さらに豊川市立南部中学校や国府高校の同期会幹事も務める多忙の身。「会社人生を終えても、なかなか暇にはなりません (笑)」
展示された作品の大部分は版画ですが、一部に三浦さん自作の油絵や、町内の人の描かれた油絵も展示してあります。こちらもなかなか見ごたえがありますが、三浦さん自身はどのジャンルも、過去にはその道の師に付いたことはなかったそう。
これは「何の変哲もない、たった一つの小さな作品でも、その中に自分の情熱なり、思い出なり、哲学が詰まっていれば、それでよい」という三浦さんのポリ シーに則ってのこと。「例え、人の作品を真似しようとも、自分なりのアレンジができていれば、それはそれで満足できるものである」筆者も大賛成です。そし てこの言葉は、これから絵なり写真なりを始めようと思っている人にはとても励みになるのではないでしょうか?
ギャラリーに町内の人や学生時代の友人、そして武道館帰りに立ち寄る人が集い、芸術の話から世間話までいろいろな話題で交流を深めるにつれ、個展を開きた い人にスペースを提供して楽しんでもらおうと思い立ち、2011年4月に「小山ドールハウス展」、2012年10月に「阪本・鏡味二人展」を開きました。 この間三浦さんの作品は豊川市文化会館内の喫茶「からりこ」にて個展として移動展示しました。前述の2個展とも大変に好評だったそうで、スケジュールさえ 合えば、今後もスペースを貸与して作品を発表したい方に協力していきたい考えだそうです。
この度取材にお邪魔して特に印象に残ったのは、版画からは離れますが、奥様・田恵さんのとても明るいお人柄と笑顔です。作品の説明をしていただいている時 も、楽しいこぼれ話や家族のエピソードを語ってくださいました。奥様と三浦さんの出会いは大学生時代のボーリング大会だったそう。結婚前は奥様も三浦さん に倣って少し版画を齧られたそうですが「主人がやってるから、私はやらなくていいかなって。主人の作品は素晴らしいと思います」今は油絵を習われていると か。「でもまだ未熟なので、ギャラリーには出せません(笑)」次回お邪魔する時は、ご夫婦の作品が揃って展示されているといいですね。
————————————————————–
プロフィール
□三浦晃靖さん 66歳(豊川市出身)
昭和21年12月14日生
名古屋電機工業株式会社を退職後、ギャラリー「やごろう」管理人となる。
□三浦田恵さん 64歳(豊橋市出身)
昭和24年2月12日生
————————————————————–
→ギャラリー「やごろう」のホームページへ