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【医療】「見えない」障害(平成24年12月号掲載)

「見えない」障害

障害を持つ人が、他人から見て常に分かりやすい姿をしているとは限りません。

■『星の王子様』を読んだことはありますか?
サン=テグジュペリが書いた名作『星の王子様』という物語があります。この物語の中で、星の王子様はとあるキツネに出会います。そして、そのキツネにあることを教えられます。
「ぼくの秘密をいうよ。すごくかんたんなことだ。心で見なければ、よく見えないっていうこと。大切なことって、目には見えない」
そうです。あなたに見えている「障害」だけが、障害ではないのです。

■障害をもった人とはどんな人を指すのでしょう
バスや電車の中で見かける優先席のステッカー。車イスに乗った人、松葉杖をついた人、妊婦さんに、小さな子ども連れた人…そんな人たちが「優先して席に座れる人」とされています。こういった人たちは、誰の目にもその不自由さが一目瞭然です。
でも、ここであのキツネの言葉を思い出してほしいのです。目に見える、分かりきったことだけが事実ではないのです。障害者と括られる人たちの中には、その「障害」が目に見えない人たちがいることを知ってください。
難病や内部疾患、発達障害など、障害を抱えているにも関わらず、外見は健常者とほとんどかわらない人がいます。そのために、優先席や障害者等用駐車場など の利用を白眼視され、必要な助けを受けられない人がいます。そうして社会から障害を持っていることを認知されず、福祉政策からも取り残されてしまった人が います。その人たちの声無き声は、社会から黙殺されてきました。

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■立ち上がったのはたったひとりの女性
そんな閉塞した状況に風穴を開けたのは、自身も25歳の時に自己免疫疾患を発症した大野更紗さんという女性でした。大野さんのツイッター上でのつぶやきが 一つの契機となり、「障害を持っていることを知ってほしい」「健常者の自分たちに何ができるのだろう?」という機運が増す中、生まれたのが“見えない障害 バッジ”でした。障害が有っても無くても、自分らしく生きられる世間になりますように。ささやかだけれど、確かな想いがこのバッジには込められています。

 

 

 

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