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【医療】PET-CTとは正確な診断と全身を1度に検査できるメリット(平成24年創刊号掲載)

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PET-CTとは正確な診断と全身を1度に検査できるメリット

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光 生会病院では2007年2月よりPET健診を開始しました。PET健診とは、PET装置を用いた健康診断のことです。このPET装置とは、ブドウ糖に放射 性同位元素を標識した薬剤(FDG)を静脈注射し、FDGの分布を画像化するものです。ブドウ糖は人体にとって最もよく使われるエネルギー源で、全ての細 胞に取り込まれます。同時に、ブドウ糖は活発に働いている細胞により多く取り込まれます。がん細胞は、健康な細胞に比べ、増殖するためにたいへん活発に活 動し、2〜20倍も多くのブドウ糖を取り込んでいます。この点にPET健診は着目し、早期のがんを見つけることができるのです。
当院のPET装置は図1に示すように、PET装置とCT装置が2つ、直列に並んだ状態になっています。こうすることで、PET画像とCT画像が同時に撮影できます。

 

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図 2はPET健診で見つかった甲状腺がんの例です。図2の左側の画像はPET画像の全身像で、赤い矢印で示されている赤い点は、健康な方なら見られない FDGの集積箇所です。(赤矢印で示されている以外のFDG集積箇所は健常なものです。)図2の右側にある3枚の画像は横断画像(体を輪切りにした状態の 画像)です。上から、①CT画像②PET画像③CT画像とPET画像を重ね合わせた画像です。CT画像はほかのどの画像よりも空間分解能力は高いですが、 がんの初期段階ではX線の透過率が健康な甲状腺と同様なため、初期のがん発見には至りません。これに対しPET画像では、初期のがんがはっきり描出されて はいますが、解剖学的な位置は全く分かりません。そんな2つの画像を重ね合わせることで、甲状腺内にがんがあることがよく分かります。このがんの大きさは 径5mm以下で、極早期の乳頭がんでした。PETで何mmまでのがんなら見つけられるか、といった質問を受けますが、PETの診断は大きさの診断ではな く、あくまでがんの有無を調べる存在診断です。

 

PETで発見できるがんは図3で示すように多種多様です。しかし、不得意ながんもあります。そういったがんは他の画像診断を組み合わせることで、カバーできます。
2007年から2011年末までのPET健診受診者は延べ1,864名、そのうちがんが見つかった方が66名で、がんの発見率は3.5%でした。この数値 は低いように感じられますが、PETを用いない一般的ながん健診での発見率が0.2%前後ですので、いかに高い確率で見つけることができているかがわかり ます。
当センターでは、今後ともがんの早期発見と、成人病・生活習慣病を含めた受診者の健康をお守りする所存です。

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PETは認知症早期診断にも有効
PET健診はがんの診断だけではなく、脳の機能診断にも有効な検査です。CTやMRIでは形態的な変化が生じて初めて認知症の診断が可能となります。
これに対し、機能診断であるPETでは脳の働きが画像化されるため、形態的変化がなくても脳の働きが悪くなっていれば認知症診断ができます。
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