訪問看護師が増えない理由と課題
病院や施設での長期入院・入所に代わって在宅療養が推進され、高齢化社会きた今日では訪問看護師の役割が重要になっています。必要度が高い訪問看護師ですが、どうして増えないのでしょうか?
看護ステーションは、企業とNPOの運営は全体のうちわずかしかなく、医療法人が半数近くを占めています。同じ在宅介護サービスの通所介護や訪問介護、グループホームの分野では地域に密着した小さな企業やNPOの参入が急増しているのに対し、看護ステーションはなかなか増えていきません。
その理由の一つは「ステーションには看護師が2.5人必要」と、1人での開業が規制されているのに対し自宅マンションなどで開業する際にはステーションとして独立性が必要となるなど、開業するにあたってのハードルが高いことが挙げられます。
また法律で看護師の業務は「診療の補助」と「療養上の世話」とされているので、医師の指示書が必要とされています。
また病院にある医療機器などは一般の家庭にはありません。例えば寝たきりの人の頭を洗う時に、病院では専用のものがありますが、自宅では浮き輪とビニール袋を使って代用したりして工夫するというかなりの苦労があります。
しかしその苦労が訪問看護師にとってプラスになっています。訪問看護師が1人で判断し、いろんな工夫をしてケアするということはそれだけ責任感が生まれてきます。その責任感がモチベーションを高める材料になっています。患者としっかり向き合えたり、深く付き合っていくことで「やりがい」というメリットを生み出していきます。そのメリットを伸ばし、訪問看護師を増やしていくことが今後の課題につながっていくと思います。