訪問看護師として働く人のほとんどは病院やクリニックから転職された看護師です。今までの仕事と訪問看護師の仕事は大きく変わってしまうので、訪問看護師として転職する際には研修が行われます。

訪問看護師の研修内容は、利用者の疾患やケア内容などの情報を把握してから、先輩看護師に同行する形で利用者のもとへ訪問します。そして挨拶から日常会話、相談の応じ方など、先輩のコミュニケーションの取り方を勉強したり、ケアに必要な物品の準備、片付け、利用者に変化があったときの対応方法など、病棟勤務と違う点を理解するようにします。

一通り理解できるようになったら今度は先輩と同行訪問しつつ、自分が中心となって利用者や家族とのコミュニケーションをとり、必要なケアを行います。病状は前回に比べてどうなのか、生活に影響のある出来事はなかったかなど、利用者に関する情報を会話や観察から得ることになりますが、こちらが一方的に聞くのではなく自然な会話の中から得られるようになるためにはそれなりの時間と訓練が必要になってきます。わからないことは先輩に聞きながら徐々に訪問看護師の仕事になれていけば問題ありません。

そして同行訪問で基本ができるようになると、今度は1人で訪問するようになります。訪問前には持参する物品を選んで用意するだけではなく、前回の訪問から変化していると予測されることや緊急時の連絡先などもしっかりと把握しておくことも大切になってきます。訪問看護の場合は利用者の生活状況や求められるケアの内容が異なってくるので、自分自身が担当する利用者の訪問に慣れることが大切です。また主治医やケアマネージャーなどの関係者とのつながりを作っていくことも求められます。

訪問看護師は難しいというイメージを持ってしまうかもしれませんが、先輩と一緒に同行訪問しているうちにいろいろと身につけていけば訪問看護師として働くことも簡単だと思います。