シニアのための投資入門・株式、投資信託編
シニアの株式投資初心者のために、株式投資分析の知識がなくとも価格変動リスク回避ができ、効率的に配当所得を得ることが可能な「配当利回り投資法」と、株主優待を年金生活の糧とする「カレンダー投資法」を紹介しましょう。
これらの投資法は、インカムゲイン投資法と呼ばれ証券投資の世界では確固たる地位を得ていますが、株で一攫千金を狙う方には魅力のない投資法かもしれません。60歳以上の方は収入や投資資金が限られてしまいますから、勝つための投資より、負けることのない投資を心掛けた方が良いでしょう。年金が少ないと思われるなら、株の定期配当を考慮したうえで投資する銘柄を選ぶべきです。
配当利回りとは、株価に対する配当金のを割合を%で数値化したものをいいます。数値の高い銘柄ほどお買い得ですので銘柄選定の参考としてください。(ただし、株価暴落により配当率が上がった銘柄は除外する)配当率の銘柄ランキングは、ネットや会社四季報で簡単に確認することができます。
次にカレンダー投資法について説明しましょう。株主優待には権利確定日(優待を受けられる権利が発生する日)があります。各企業により権利確定月日が異なりますので、各月ごとの優待確定銘柄をカレンダーに記入し、それらを投資銘柄候補にすれば、毎月優待商品が得られる株主優待カレンダーが出来上がります。先の高配当率銘柄と優待カレンダー、企業の財務状況を総合的に検討して購入すべき銘柄を決めて下さい。
インカムゲインを狙った投資は中長期保有が基本ですから、専門的な財務分析は必要ありません。売上は伸びているか、儲かっているか、その程度が分かれば充分です。初期投資にはまとまったお金が必要でしょうが、ニーサの非課税上限額100万円を目安にすると投資計画も立て易いでしょう。ニーサなら配当金も非課税となりますし、最長10年間の長期保有(塩漬け)が可能です。配当や優待と言っても最近は馬鹿に出来ません。最低株数を持つだけで年間数万円の配当金を出す企業もありますし、優待でブランドのお米、高級化粧品、ギフトカード、航空搭乗割引券などをもらえば老後もブルジョアジー(中産階級のよう)な生活が楽しめます。
最後に投資信託の話もしましょう。シニアの方には、毎月分配金が受け取れる毎月分配型の投資信託か、J-REIT(日本型不動産投資信託)がお勧めです。毎月分配型投信は年金の補完になりますし、お金を投資家から集めて運用会社が国内不動産に投資するJ-REITを利用すれば、数十万程度から不動産投資が可能になります。投資信託は銀行でも購入できますが、商品本数も少なくニーサの適用範囲も狭いため、株式投資も併せて行いたい方は、証券会社でニーサ口座を開いた方が良いでしょう。
ネット系証券会社では、ニーサ口座での取引に限り、取引手数料を無料としたり、一定約定金額までを一律105円とするサービスもあるそうです。限られた資金で運用する訳ですから手数料の節約も重視したいものです。今後の株や投資信託の取引は、思い切ってネットトレードに切り替えてしまうのも一考かもしれません。