西村渚のほんわか日暮らし 第8回
ちょっとランチしに京都まで・・・
今年も全国各地で桜の花がきれいに咲き誇りました。京都までお花見に出かける人も多いのではないでしょうか?京都というと、私には「連れて行ってもらえなかった」という、恨み辛みにも近い思い出があります。他界した祖父と、京都に出かけたのは父と弟だけ。
母と2人、お留守番という悲しい思い出。そこで思い立ったのが、母と2人で京都に行こう!
桜のシーズンになると、とても混むであろうと、梅と桜のシーズンの合間に出かけました。豊橋から京都駅までを往復するバスがあるので、日帰りバス旅行。これまで母と2人で旅行に行ったことすらなかったのでとても楽しみに出かけました。
豊橋駅を出発し、東名高速に乗りバスは進んで行きます。2月末のまだ寒いときでしたが、とてもいい天気に恵まれバスの中はポカポカ。順調に伊勢湾岸道に入った頃、運転手さんからのアナウンス。「この先、事故が発生したため渋滞・・・」。なかなか進まないバスの中で、母と色んな話をしました。私が生まれる前のこと、生まれた後のこと、当時助産婦であった祖母のこと、父の悪口(笑)、弟家族に姉の家族、母が常日頃思っていることや、将来のこと。4時間以上隣に座っていたからこその、母と娘のヒミツの会話。こんなことでもなければ、この先にこのような機会はないかも?
結局、2時間遅れで京都に到着しました。バスの中で決めればいいよね~と、のん気に構えていた私たちは、話に夢中で、結局無計画のまま。「お父さん一緒じゃなくてよかったね!」私たちの合言葉。父は分刻みの計画を立て、その通りに遂行するのが趣味な人なので「きっと怒っちゃうもんね~」と三十三間堂に行き、「自分にそっくりな顔の仏様がおるだったよね!?」などと遠い記憶を探りながら会話をし、そのいい加減さに笑う。せっかく来たからと、京都タワーに登りぐるり360度。「京都1周した気分で~」、もはや救いようがない親子の会話。そして、ビール飲みながらランチを楽しもうと、京野菜をふんだんに使った贅沢ランチを堪能しました。京都旅行というよりも、母と2人で思う存分話ができた有意義な時間となりました。
豊橋に帰ったら、「ちょっと京都までランチしに~」って自慢しようねって、やはり救いようのない親子の会話で旅は終了したのでした。