ロコモ (ロコモティブシンドローム)って知っていますか?
皆さんはメタボ(メタボリックシンドローム)という言葉はご存じと思います。血圧が高い、血糖が高い、中性脂肪が高い状態で特に一般の方によく知られている腹囲が大きいとメタボの状態といわれ、将来動脈硬化が進み脳梗塞や心筋梗塞になりやすくなるといわれています。これに対して整形外科医はロコモ(ロコモティブシンドローム)という言葉を提唱しています。
ロコモティブとは筋肉、骨、神経によって動く運動器のことを言います。運動器が悪くなると歩行が遅くなる、転びやすくなる、重いものが持てなくなるといったことが起きてきます。関節痛が進行したり、転倒により骨折したり、運動ができないためメタボとなり脳梗塞による手足の麻痺が起こり、介護保険の世話になることになります。ご自分がロコモとなっているかどうかを知ることができる次の7つのロコチェックがあります。
7つのロコチェック
①家の中でつまずいたり滑ったりする。
②階段を上るのに手すりが必要である。
③15分ぐらい続けて歩くことができない。
④横断歩道を青信号で渡りきれない。
⑤片足立ちで靴下が履けなくなった。
⑥2kg程度(牛乳1L2パック)の買い物をして持ち帰るのが困難である。
⑦家のやや重い仕事が困難である。(掃除機の使用、布団の上げ下ろしなど)
以上7つのうち1つでも当てはまればあなたはロコモです。
メタボもロコモも運動不足が原因です。だからといっていきなり強い運動を始めるのは危険です。運動は両刃の刃ですので正しい方法で体力に合った運動をすることが大事です。大岩の森太田整形外科フィットネスクラブではメタボ、ロコモの予防運動療法を通じて健康になっていただくよう運動指導を行っています。運動をする習慣を身に着け介護保険の世話にならずに「ぴんぴんころり(最後まで元気に寝たきりにならないこと)」を実現しましょう。
不幸にして運動器の病気に罹りリハビリ期間が5カ月を過ぎると維持期といって医療によるリハビリを行わず、介護保険対象の方は介護保険によりリハビリを行うというのが現在の医療制度です。機能の維持、改善にはリハビリを続けることが必要と思います。太田整形外科フィットネスクラブは通所リハビリ施設として介護認定を受け要支援1、要支援2、要介護1、2程度の方に対しリハビリを行っています。運動器は運動しないと機能はますます衰えてしまいます。人間は動物です。すなわち動くものです。動けなければ動物ではありません。いつまでも動ける体を維持しましょう。
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書き手 太田 邦昭氏 (医)大岩の森 理事長
略歴
昭和44年3月 名古屋市立大学医学部卒業 昭和45年4月 名古屋市立大学医学部整形外科学教室研究生 国立浜松病院、国立豊橋病院、名古屋市立児童福祉センター勤務 昭和50年1月 名古屋市立大学整形外科学教室助手 昭和52年4月 名古屋市立東市民病院整形外科副部長 昭和55年4月 名古屋市立東市民病院理学診療科部長 昭和57年4月 国立豊橋病院整形外科医長 昭和63年6月 太田整形外科開業 平成16年12月 医療法人「大岩の森」設立、理事長 平成18年1月 太田整形外科フィットネスクラブ開設 医学博士 日本整形外科学会専門医 日本整形外科学会スポーツ医 日本整形外科学会リウマチ医 日本整形外科学会脊椎脊髄医 日本リハビリテーション医学会認定臨床医 日本リウマチ学会専門医、日本リウマチ財団登録医、日本医師会認定健康スポーツ医 日本整形外科学会代議員 愛知県整形外科医会会長 名古屋市立大学整形外科開業医会会長 名古屋市立大学整形外科同門会会長 東三河整形外科医会副会長