のだや(26年新年号掲載)
お米の話(低タンパク質)
「LGCソフト」「LGC1」「春陽」といった名前のお米を聞いたことがありますか?
実はこれらのお米、腎臓病患者向けに開発されたお米なんです。「低タンパク米」とも言いますが、通常は「低グルテリン米」と呼ばれます。これは体内で消化されやすく腎臓に負担をかけるタンパク質「グルテリン」が、少ないことに由来しています。
人工透析療法に入ると4〜5時間もかかる透析を週に3回も受けなければなりません。これは患者の身体的負荷が大きく、仕事や生活にも大きな制限を強いられることになります。慢性になると、現代医療でも根本的に完治させることはとても困難です。
そのため食事療法を用いて、腎臓に負担をかける食塩、カリウム、リン、タンパク質、水分などの摂取を制限し、人工透析が必要なほどの悪化を防ぐというのが、一般的な医療現場での方針となっています。
これまでの食事療法ではタンパク質を低減したレトルトパック米飯などが用いられてきましたが、値段が高く美味しくないということで低タンパク米の開発が始まりました。
そこで開発された低タンパク米が「春陽」と「LGC1」。レトルトパックではなく、普通のお米の病態食として期待大でしたが、食味の評価はいまひとつでした。
そこで新たに開発されたのが、「LGCソフト」です。「LGCソフト」の「LGC」は、Low Glutelin Con-tent=グルテリンが少ないこと、「ソフト」は、柔らかく粘って美味しいことから命名されました。農林水産省の全面的なバックアップで叶った「低タンパク米」でしたが、新たに制定された「健康増進法」の基準に合わないということで表記が規制された結果、流通は激減しました。
LGCソフト」にご興味のある方は、弊社までお問い合わせ下さい。
ただしLGCソフトは、消化しやすいタンパク質が、普通のお米に比べて3分の1程度少ないということだけで、腎臓疾患の予防や治癒効果があるというものではありませんので、病態食としてお考えの方は、必ず専門の医師および栄養士に、相談してください。