西村渚のほんわか日暮らし 第10回
五感で食べて 美味しく変わる毎日!
先日、仕事も兼ねて3日間連続で設楽町に行く機会がありました。バイパスもできているけれど、あえて昔っからの道を通る。木漏れ日の中、車を進めていく。トンネルを出るごとに緑が増していく。山々の緑が濃く、目を下にやると川の水がキラキラ。ドライブが楽しい。この時期、設楽町は夏野菜がおいしい。トマト!トウモロコシ!天狗なす!設楽町で行われた複数の食のイベントに参加した私は、トマトとトウモロコシのもぎ取り体験をし、その場で口に頬張りました。ミニトマトのちっちゃな細かいヒゲ、土臭いというか、トマトの枝の匂い。人気アニメ「となりのトトロ」で主人公のさつきがおばあちゃんと取れたての野菜を食べるシーンがある。湧水で冷やした野菜にかぶりつき「美味しい」というさつきにおばあちゃんは「お日様たぁんと浴びてるから…。」と答える。そのシーンがよみがえる。見渡せば、ほんとにトトロが出てきそう。さらにトウモロコシ・・・あれ?なかなかもぎ取れない。子どものころ、たいていの野菜は両親が家庭菜園で育てていたので〝スイカは木になっている〟などと大都会の子どものようなことを言うつもりはないが、何十年も先のことだと、コツというものを忘れている。やっととれたトウモロコシ、農家さんの勧めで生のままかぶりつく。トウモロコシを生で?と思いつつもガブリッ・・・驚くほど瑞々しく甘かった。普段外食や買ってくることばかり。たまにはこうして自然体のものをそのままいただくってなんか美味しい。というか、いつのまにか当然だったことが、特別に美味しいものに変わっていた。なんだかちょっとつまらない大人な気がしてくる。料理の専門家が「食事は五感で味わうものだ」と言っていました。テレビを見ながら・・・視覚を奪われ料理の色すら見ない。見ないと匂いも感じない。テレビの音があるから、ポリポリ、サクサク、美味しい音が聞こえない。だから、食事が味気ない・・・。ドキッとしませんか?
生きる気力がない、最近なんだかやる気がない、食欲がない。これって、病気だからじゃなくって人間らしい生活を送っていないから!?つまらない毎日だなんて思っちゃってた私、食べ方を変えるだけで日々が劇的に?変わるのかもしれません。