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シニアの知って「得」する国の制度 第10回 遺族年金は、いくらもらえる? ~金額・仕組~

今回から、家族の大黒柱である夫が亡くなった場合の遺族年金について。そのうち、今回は65歳以上の妻が残された場合の遺族年金です。

夫の年金の6割?

巷では遺族年金は夫のもらっていた年金の「6割」くらいになるというウワサがあります。確かにそれくらいになるケースがよくあるので、それが一般的な認識となっているようです。
しかし、これは結果的にそれくらいになるに過ぎず、実はそんなに単純なものではありません。金額は「夫の厚生年金の金額」と「妻の生年月日」の組み合わせで決定します。

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「経過的寡婦加算」とは、「妻の生年月日が大正15年4月2日から昭和31年4月1日まで」の場合に、579、700円から19、400円の範囲でプラスされるものであり、生まれが早いほど高い金額に設定されています。
このように、「夫が受けていた厚生年金がいくらだったか」と「妻の生年月日がいつであるのか」という二つの要素が絡んでくるため、単純に「夫の年金の6割」という計算ではないのです。遺族厚生年金の総額は、「老齢厚生年金(報酬比例部分)×4分の3」と「経過的寡婦加算」の合計です。

私(妻)も自分の年金があるんだけど・・・?

65歳になると気付きます。「自分が払った年金は、どーなるの?」。女性でも厚生年金に加入していることが多々あります。以前は自分の老齢厚生年金と遺族厚生年金の「高い方を選び」、自分の老齢基礎年金(国民年金)をセットでもらうというパターンでしたが、現在は選択できず、「自分(妻自身)の年金」が強制的に支給されます。ただし、「自分の老齢厚生年金満額より遺族厚生年金のほうが高かった場合」は、その差額を引き続き受けることができます。結果的に、もらえる金額は65歳前と同じになるのですが…。

自分の年金が優先される
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この図は、老齢厚生年金との差額として遺族厚生年金が支給されるケースです。制度上は、遺族厚生年金の額のうち妻の老齢厚生年金相当額が支給停止という取扱いになります。
ほとんどの遺族厚生年金受給者はこのような形です。
老齢厚生年金と遺族厚生年金はいずれも「厚生年金」であるため、このような複雑な形となっていますが、老齢基礎年金は「国民年金」であるため別枠で全額もらえる仕組みです。

さて、次回はもう一つの遺族年金である「遺族基礎年金」についてのお話です。同じ遺族年金でも考え方が違い、若い人が遺族年金を受ける場合のものです。不幸にも若くして夫を亡くされた人は特に必見です。

 

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