自宅か、ホームか、それが問題だ! 第5回
〜 「元気なうちに入居する」介護付有料老人ホームに学ぶ「老い支度」 その5 ~
こんにちは、みなさん。
今回は、「元気なうちに入居する」介護付有料老人ホームの機能から、「生活サービス(毎日をより便利で、より楽しく)」についてご紹介します。
生活サービスとは聞きなれない言葉だと思いますが、ホームによっては、フロントサービスやコンシェルジュなどと呼んでいます。仕事を大きく分けると、入居者向け受付・相談業務、イベントの企画・運営、サークル・クラブ活動支援などです。
受付・相談業務は、日中のカウンター業務で、様々なサービスの受付や日常生活のご相談に応じる機能です。いわば、ホテルのフロントのような役割で、外部のお店やサービスを紹介したりすることもあります。イベントの企画・運営は、主にお元気な入居者を対象としたホーム内外での大小様々なイベントを計画し、実施します。映画上映、コンサート、納涼祭など、多くのイベントが開かれます。そして、サークル・クラブ活動は主に入居者の自主運営ですが、新たなクラブ結成の支援や外部講師の依頼、会場の確保など、職員も様々なお手伝いをします。
そして、生活サービス担当職員の最も重要な業務は、別にあります。それは、入居者の皆様の日々のご様子から、ちょっとした変化に気づき、その情報を内部で共有し、必要であれば、他部署に伝えています。毎日の生活に不便がないか、体調にお変わりはないか、認知症の始まりではないか、常に気くばりしています。
例えばご自宅にお一人または高齢者夫婦のみでお暮らしの場合、日常生活でのちょっとした変化に周囲の方が気づくことが遅れる場合が往々にしてあります。ちょっとしたことで怒りっぽくなった、毎日同じ服を着ていて、着こなしがだらしなくなった、支払いで小銭を出さずに札ばかり出すなど…。もしかしたら、それは、認知症の初期症状かもしれません。
有料老人ホームでは、生活サービスに限らず、様々な部署、様々な職種の職員が、お一人の入居者を、プライバシーは尊重しながら、見守っていることが、大きな安心につながっているのです。
社会福祉法人 聖隷福祉事業団 エデンの園入居者募集センター長
吉田まなぶ