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終活 第9回

安心して余生を送るために 人生の終わりを自分らしくより良いものに

遺言書

トワーズ代表取締役 深谷憲弘氏

家族の円満を願う、ラストメッセージ

 自分にもしものことがあった時に、残された家族が相続問題などで争うなんて、誰も望んでいないはずです。そのためにも終活の一環としてぜひ、存命中に「遺言書」の作成をお考えください。ご家族へのラストメッセージをきちんとしたカタチで残すことこそが、円満かつスムーズな相続問題の解決に繋がることでしょう。

遺言書の種類と特徴

 ここでは、遺言書作成においてよく使われる3種類をご紹介します。まずは、遺言者から直接公証人が内容を聞き取り、書面に記す「公正証書遺言」。不備による遺言の無効や偽造のおそれがないのはもちろん、家庭裁判所の検認も行わずに開封できるので、いち早く内容を確認できるのが最大のメリットです。
 そして、費用をあまりかけずに簡単作成できる「自筆証書遺言」や、利用頻度は少ないですが内容を誰にも知られたくない場合などに使われる「秘密証書遺言」。しかしこの2つに関しては必ず家庭裁判所の検認を受けなければ開封できません。
 このように遺言書は方式や書式に至るまで実に細かく法律で定められてはいます。しかし、もし遺言者の意思が変わればその都度、書き替えることが可能です。

法的効力の有無

 遺言書による法的効力は、事財産分の指定や特定者への遺贈、子の認知、遺言執行者の指定など、民法によって定められた事柄に限ります。 つまり、葬儀の事前相談などで皆様からよく質問をお受けする、葬儀や供養の方法などの記載においては法的効力が認められません。しかし、効力の有無にかかわらず記すことは禁止されていないので、ご自身の意思や希望を書面に残せば、尊重される可能性は高くなると期待できます。

意思を伝えることの大切さ

 遺言書はもちろんですが、エンディングノートなどを活用し、ご自身の意思や考えを前もってしっかりとしたカタチに残すことの大切さを、今回はお伝えしたいと思いました。残されたご家族の争いを防ぎたいというのが大きな目的ではありますが、相続される方一人一人に想いを馳せ、気持ちを汲み取りながら書く、その過程こそがご自身の人生を振り返る終活の醍醐味と考えています。
 ぜひこの機会に素敵なラストメッセージの作成、ご検討ください。

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