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シニアの知って「得」する国の制度 第24回

厚生年金「掛けながらもらう」と、いつから年金に反映する?

「もらう」、一方で「掛け続ける」

現在、60歳以上の人でも、厚生年金を「掛けながらもらっている」場合が多くあります。その保険料は、給料から天引きされています。
もらえる厚生年金は、若いときから掛けてきた保険料に応じて金額が決まりますが、「掛けながらもらっている」と、もらう金額はどのように変わっていくのでしょうか。

具体例で説明します。60歳まで厚生年金を360月(=30年)掛けてきており、60歳から、その360月分として年額70万円の厚生年金をもらっているとします。
掛ける月数は、60歳1ヵ月で361月、60歳2か月で362月……と続いていきます。しかし、60歳1ヵ月でも、もらえている厚生年金は360月分として計算されています。払っているのに、その分の年金はもらえないのか?というご質問をされることがよくあります。

 

退職することで、年金額に反映。「退職時改定」

年金は、払った分、ちゃんともらえる金額が増えるようになっています。しかし、払っている最中、つまり保険料が天引きされ続けている期間中には、もらえる額を変更しません。
先の例で、63歳まで厚生年金を掛け続けた場合、掛けた保険料の月数は360ヵ月+36ヵ月=396月となっています。このとき、もらえる年金はというと、60歳時点の360月分の年金です。その後、63歳で退職すると、60歳から63歳までかけてきた厚生年金保険料の36ヵ月分が加算されて、その後396月分の年金をもらえるようになります。
つまり、「退職すると年金額が増える」ことになります。この「退職」とは、完全な退職ではなく、社会保険を脱退することなので、短時間のアルバイトやパートのように、社会保険に加入しない程度の働き方であれば、ここで言う「退職」に該当します。

 

働き続けていても、65歳になれば年金額に反映

もし、この例の人が63歳で退職せず、そのまま65歳を超えて働き続けている場合にはどうなるのでしょうか?60歳の時には360月、65歳では420月掛けたことになっています。しかし、途中で退職していないと、金額は360月のままです。これでは、退職するまで年金が増えず、楽しみもありません。
そこで、「65歳から」は、厚生年金に加入し続けていても、60歳から65歳までの60月(=5年)分が上乗せされて、420月分の厚生年金をもらえることとなりました。

 

 65歳以降も働いているとどうなる?

65歳で420月分の厚生年金をもらっている場合、60歳の時と同様に、65歳1ヵ月で421月、65歳2ヵ月で422月……と続いていきます。しかし、先の説明と同じように、厚生年金の保険料を払い続けている間は420月分の年金のままです。ルールは65歳より前の場合と同様で、退職することで、65歳から退職までの月数分が上乗せされます。また、70歳になると、65歳から70歳までの60月分が上乗せされて、480月分の年金をもらえるようになります。
厚生年金保険料が徴収されるのは70歳になるまでですので、それ以降は年金が増えることもありません。

さて、次回は、最近報道されている「10年年金」のお話です。これまで年金保険料の支払い期間が足りず、年金がもらえていない方は、もらえるようになる可能性があります。そのような方は是非ご覧ください。

 

 

 

 

 

有限会社CSプランニング

 

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