学習障害(LD) 障がい福祉の基礎知識③
いろいろな定義があります
文部科学省の定義
「全般的な知的発達の遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する、推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す」としています。
(平成11年 学習障害及びこれに類似する学習上の困難さを有する児童生徒の指導方法に関する調査研究協力者会議)
医学の定義
ICD:学習の特異的発達障害…読字障害、書字障害、算数障害
DSM:限局性学習障害…読字、書字、計算能力
※ICDとは世界保健機関(WHO)が作成する精神障害の定義とガイドライン(国際疾病分類)
※DSMとはアメリカ精神医学会が作成する「精神障害の診断と統計のための手引き」
学習障害(LD)
医学:読字・書字・計算
教育:上記に+聞く・話す・推論する
いずれかが著しく苦手な場合をさします。
全般的な知的発達の遅れはありません。
他の人と学び方が違うことを理解し、得意と不得意をよく把握して、代替手段を利用することが大切です。
①読字障害
「文字を読むための」
- (大量の文字から)読むべきところを特定すること
- 書いてある文字を見分けること(ex.「ぬ」と「め」の区別など)
- 単語や文章のまとまりを捉えること
などが苦手で単語や読みの正確さ、読みの速度、流暢さ、文章の理解度に弱点があります。
「読んでいるところが分からなくなる」
「読んだ文章の内容や意味が分からない」
などの混乱を生じたりします。
その他の特徴として
「黙読が苦手(英語のリーディングが苦手)」
「文章がすぐに頭に入らない」
などがあります。
まとまりで捉えることとは?
・にわにわにわにわとりがいます。
・にわ/にわ/にわ/にわとりが/います。
・庭には 二羽 鶏が います。
②書字障害
「文字を書くための」
- 状況に応じた言葉や文字を思い起こすこと
- イメージしたとおりに手を動かすこと
などが苦手でスペル、文法、句読点、文章の明確さ、構成の正確さに弱点があります。
「書字または書写で、文字形態が不正確」
「鏡文字(左右反転)になったり、漢字を覚え書くのが困難」
「単語を構成する文字の並べ方を覚えることが苦手」
などの問題を生じたりします。
その他の特徴として
「字を書くことに苦手意識が強い」
「誤字脱字が多い」
「文章を書くことが苦手」
などがあります。
③算数障害
「計算をするための」
数の概念や数の理論、計算の正確さや流暢さ、数学的思考に弱点があります。
「数概念の理解」
「加減乗除などの基本的な数の操作」
「文章問題を数式に置き換える」
などが苦手です。
その他の特徴として
「計算に時間がかかる」
「暗算ができない」
「数字への苦手意識が強い」
などがあります。
他にも…↓
発達性協調運動症(DCD)
(Developmental Coordination Disorder)
不器用、スポーツが苦手、書字が下手などの特徴があります。
-運動面の学習の問題とも考えられています。
-LDやその他の発達障害と合併することも多くあります。
-粗大な運動(全身運動)と微細な運動(手先の操作)が含まれます。
WEBワライフ成人期の発達障害 障がい福祉の基礎知識⑤
WEBワライフ自閉症 障がい福祉の基礎知識④
WEBワライフ注意欠陥多動性障害(ADHD) 障がい福祉の基礎知識②
WEBワライフ発達障害について 障がい福祉の基礎知識①