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改正育児・介護休業法のポイント②(施行期日:平成29年1月1日)仕事と介護の両立支援制度

仕事と家庭の両立支援について、現状や厚生労働省の支援対策、また今年10月からの改正のポイントをWEBワライフのコラムでもお伝えしましたが、今回は育児・介護休業法の今年から改正になった事項を中心にまとめました。

①介護休業の分割取得 3回まで分割取得が可能

平成28年12月31日まで
介護休業について、介護を必要とする家族(対象家族)1人につき、通算93日まで原則1回に限り取得可能

現行(平成29年1月1日より)
対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限として、介護休業を分割して取得可能

介護休業とは・・・労働者(日々雇用される方を除く)が、要介護状態(負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態)の対象家族を介護するための休業です。
対象家族の範囲は、配偶者(事実婚を含む)、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹及び孫です。(※祖父母、兄弟姉妹、孫については、同居・扶養要件は不要となりました。)

 

②介護休暇の取得単位の柔軟化 半日単位での取得が可能

平成28年12月31日まで
介護休暇について1日単位での取得

現行(平成29年1月1日より)
半日(所定労働時間の2分の1)単位での取得が可能

介護休暇とは・・・ 要介護状態にある対象家族の介護その他の世話を行う労働者(日々雇用される方を除く)は、 1年に5日(対象家族が2人以上の場合は 10日)まで、介護その他の世話を行うための休 暇の取得が可能です。

 

③介護のための所定労働時間の短縮措置等

平成28年12月31日まで
介護のための所定労働時間の 短縮措置等(選択的措置義務) について、介護休業と通算し て 93日の範囲内で取得可能

現行(平成29年1月1日より)
介護休業とは別に、利用開始 から3年の間で2回以上の利 用が可能

介護のための所定労働時間の短縮措置等(選択的措置義務)とは・・・ 事業主は、要介護状態にある対象家族の介護をする労働者に関して、対象家族1人につき、 以下のうちいずれかの措置を選択して講じなければならないとされています。 ①所定労働時間の短縮措置 ②フレックスタイム制度 ③始業・終業時刻の繰上げ・繰下げ ④労働者が利用する介護サービス費用の助成その他これに準じる制度

 

④介護のための所定外労働の制限(残業の免除)

平成28年12月31日まで
なし

現行(平成29年1月1日より)
介護のための所定外労働の 制限(残業の免除)について、 対象家族1人につき、 介護終了まで利用できる所定外労働の制限を新設

対象家族1人につき、介護の必要がなくなるまで、残業の免除が受けられる制度を新設しま した。

 

⑤有期契約労働者の育児休業の取得要件の緩和

平成28年12月31日まで
申出時点で以下の要件を満た す場合に育休の取得が可能
①過去1年以上継続して 雇用されていること
子が1歳になった後も 雇用継続の見込みがあること
③子が2歳になるまでの 間に雇用契約が更新されないことが明らかである者を除く

現行(平成29年1月1日より)
申出時点で、以下の要件を満 たすことに緩和
①過去1年以上継続し雇 用されていること
②子が1歳 6 か月になるまでの間に雇用契約が なくなることが明らかでないこと

また、介護休業の取得要件については、申出時点で
①過去1年以上継続して雇用されていること、
②介護休業を取得予定日から起算して 93日経過する日から6か月を経過する日までに、雇用契約がなくなることが明らかでないこととなります。

 

⑥子の看護休暇の取得単位の柔軟化

平成28年12月31日まで
子の看護休暇について1日単位での取得

現行(平成29年1月1日より)
半日(所定労働時間の2分の 1)単位での取得が可能

子の看護休暇とは・・・ 小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者(日々雇用される方を除く)は、1年に5 日(子が2人以上の場合は 10 日)まで、病気、けがをした子の看護又は子に予防接種、健康診断を受けさせるための休暇の取得が可能です。

 

⑦育児休業等の対象となる子の範囲

平成28年12月31日まで
育児休業など※1が取得できる 対象は、法律上の親子関係があ る実子・養子

現行(平成29年1月1日より)
特別養子縁組の監護期間中の 子、養子縁組里親に委託されて いる子等(※2)も新たに対象

※1 育児休業の他に、子の看護休暇、所定外労働の制限(残業の免除)、時間外労働の制限、 深夜業の制限、所定労働時間の短縮措置も含みます。

※2 当該労働者を養子縁組里親として委託することが適当と認められるにもかかわらず、実親 等が反対したことにより、当該労働者を養育里親として委託された子を含みます。

 

⑧いわゆるマタハラ・パタハラなどの防止措置義務の新設

平成28年12月31日まで
事業主による妊娠・出産・育 児休業・介護休業等を理由とする不利益取扱いは禁止

現行(平成29年1月1日より)
①上記に加え、上司・同僚から の、妊娠・出産、育児休業、 介護休業等を理由とする嫌 がらせ等(いわゆるマタハラ ・パタハラなど)を防止する措置を講じることを事業主 へ新たに義務付け。

②派遣労働者の派遣先にも以 下を適用。
・育児休業等の取得等を理由とする不利益取扱いの禁止
・ 妊娠・出産、育児休業、 介護休業等を理由とする嫌がらせ等の防止措置の 義務付け

 

 

妊娠・出産、育児休業、介護休業等を理由とする不利益取扱い・防止措置

事業主に対して妊娠・出産、育児休業、介護休業等を理由として、解雇その他の不利益取扱いをすることを育児、介護休業法等で禁止しています。

以下のような事由を理由(※主なもの)として

妊娠中・産後の女性労働者の
・妊娠・出産
・妊婦検診などの母性健康管理措置
・産前・産後休業
・軽易な業務への転換
・つわり、切迫流産などで仕事ができない、労働効率が低下した
・育児時間
・股間外労働、休日労働、深夜残業をしない
子どもを持つ労働者・介護をしている労働者の
・育児休業、介護休業
・育児のための所定労働時間の短縮措置(短時間勤務)、介護のための所定労働時間の短縮措置等
・子の看護休暇、介護休暇
・時間外労働、深夜残業をしない  など

以下のような不利益取扱いを行うことは違法です。

・解雇
・雇止め
・契約更新回数の引き下げ
・退職や正社員を非正規社員とするような契約内容変更の強要
・降格
・減給
・賞与等における不利益な算定
・不利益な配置変更
・不利益な自宅待機命令
・昇進、昇格の人事考課で不利益な評価を行う
・仕事をさせない、もっぱら雑務をさせるなど就業環境を害する行為をする

 

さらに、平成29年1月1日からは上記に加え防止措置義務が新規に追加

事業主に対して、上司・同僚などが職場において、妊娠・出産、育児休業、介護休業等を理由とする就業環境を害する行為をすることがないよう防止措置を講じなければならないことが追加されました。

 

WEBワライフ「改正育児・介護休業法のポイント①(施行期日:平成29年10月1日)」

WEBワライフ「保育園などに入れない場合 2歳まで育児休業が取れるようになります!」

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