愛知県のグループホーム整備促進支援制度⑦体験談その2
今回も先回に続きグループホームを運営されている方の体験談をご紹介します。
体験談3「夜勤体制の構築」
3-1ホームの概要
障害種別等
知的障害、自閉症スペクトラム、ダウン症候群、区分 3~6
定員等
5 名 (男性 5 名)
ホームの特徴
新築。法人所有。夜勤対応有。木造2階建て。
3-2ホームの説明 入居者の区分も広く様々な生活スタイル
・区分 3 の方から区分 6 の方まで入居されている為、様々な生活スタイ ルが混在しています。
3-3苦労した体験 報酬改定により宿直を夜勤に変更
・2014 年度報酬改定におけるグループホームの夜間支援体制加算の見直しによって、宿直から夜勤に変更しなければ、経営が成り立たなくなり、急遽勤務体制を変えることに苦労しました。
非常勤職員が多くなり、支援について引き継ぎを行うのに苦労
・また、生活支援員が不足していたため、非常勤職員を募集し、体制を組むことができましたが、非常勤職員が多くなったことにより利用者へ の支援について引き継ぎを行うのに苦労しました。
3-4解決・収束 非常勤向けの研修で支援の認識を共有
・今まで常勤職員が行ってきたことを非常勤職員へ引き継ぐ為に、グル ープホームの職員数を増やしました。
・また、非常勤職員向けの研修を開き利用者への支援についての認識を 共有しました。
3-5この体験後こころがけていること 他の研修に参加し最新の動向に目
・法人外の研修等に積極的に参加し、最新の制度の動向に目を向けてい ます。
支援者養成講座を開催、支援者確保とスキルアップ
・また、グループホームでの支援者養成講座を開き、支援者の確保及び スキルアップと事業所の啓発活動を行っています。
3-6新規開設を希望される方へ ハードだけでなくソフト(支援)も重要
・建物等のハード面も大事ですが、ソフト面(入居者への支援)もグループ ホームを開設するにあたり大切だと思います。
体験談4「ホーム生活」
4-1ホームの概要
障害種別等
知的障害 区分 1~6
定員等
5 名 (現在 4 名…全員女性)
ホームの特徴
借家 夜勤対応無 複数階
4-2ホームの説明 会所前に見学会など
共感した建設会社がグループホームを建設
・グループホーム設立を目指す養護者の方々の考えに共感した建設会社が、グループホームを建設しました。
・運営を当法人に委託するかたちで平成 26 年 10 月開所しました。尚、 家賃については採算度外視の低家賃で前述の建設会社と契約しました。
グループホームは地域の中にあたりまえに存在する
・「グループホームは地域の中にあたりまえに存在する」、そのことを知っていただくためにも、設立前から地域の方々に向けた講演会や見学会を実施しました。
・開所後も、一つの事業所に留まらず法人各機関と連携し、火災時には自動で法人本部に火災発生の連絡が入る機器を設置しました。緊急時には職員がすぐに駆け付けられるような体制作り等、多様な支援がで きるようにバックアップ体制にも努めています。
4-3苦労した体験 帰宅要求の強い方の深夜徘徊等
・障害支援区分の高い方や、親元から初めて離れる方々が多く、なかでも睡眠・活動リズムが不安定であり、且つ帰宅要求の強い方の深夜徘徊等への対応について苦労しました。
4-4解決・収束 障害特性を理解している職員を一定期間配置
安定するまで夜間の見守りを実施
・いきなりホームに入所していただくのではなく、法人各機関と連携(短期入所事業での宿泊体験、他のグループホームでの体験利用を実施) し、少しずつホームでの生活に慣れていただくことに努めました。
・ホーム入所後、安定するまでは理事長をはじめ法人各機関の管理者による夜間の見守りを実施しました。
・特定の職員に負担が集中しないよう他の6つのグループホームの職員 と交代で支援を行うこととしました。
利用者の生活リズムの理解
・元々利用者と関わりがあって、障害特性を理解している職員を一定期間配置して、他の職員が利用者との関わり方のアドバイスを受けられ るようにしました。
・日中活動先や保護者との意見交換を行い、利用者の生活リズムの理解に努めました。
医療機関に相談服薬調整等
・重度の知的障害の方で服薬が必要な方については、医療機関に相談服薬調整等を行いました。
・上記のことを実施し、徐々に生活リズムが改善し、深夜徘徊すること も少なくなりました。
4-5この体験後こころがけていること 職員によって支援が異ならない
・交代勤務のため、職員間の情報共有を徹底し、職員によって支援方法が異ならないように週一回のミーティング等で問題解決のための検討、対応の周知を行うようにしています。また、支援マニュアルや緊 急対応マニュアルを作成しました。
4-6新規開設を希望される方へ 近隣の理解で助けもらえる関係性を
・より安心した生活を送るためにも、緊急時の体制作りは不可欠です。また、地域住民の一員として意識を持つために地域行事等に参加すること、障害について近隣の方々の理解を得て、緊急時に助けていただ けるような関係性の構築は非常に重要です。
体験談5「利用者の不穏な行動」
5-1ホームの概要
障害種別等
知的障害 区分 1~6
定員等
男性 7 名
ホームの特徴
築 40 年ほどの借家。木造 2 階建て(6LDK本棟+2Kの離れ)。 市街地から離れた、古くからの住宅地に位置しています。 区分 1 の一般就労者 3 名と区分 6 の自閉症1名、知的と身体(聴覚)の 重複障害 1 名等、利用者の支援度の幅が広く、そのため平日は職員 2 名を配置しています。(夜勤あり、夜間は 1 名体制)。
5-2ホームの説明 区分 1~6 と支援度の幅、平日2名体制を確保
・平成 21 年 7 月に開設。区分 1~6 までと支援度の幅があります。
・区分 6 の方が 2 名在籍しており、支援度も高いため平日の支援におい ては職員 2 名体制を確保しています。
5-3苦労した体験 大きな泣き声や床を飛び跳ねる 近隣から苦情
・自閉症の利用者の大きな泣き声や床を飛び跳ねる音が外に響き、向か いの住民より苦情が出ました。
・当初、その利用者が退去せざるを得ない状況にまでなりましたが、双方話し合いの上、 1 か月の猶予をいただき支援方法の組み立てと環境設 定を再考しました。
5-4解決・収束 音の軽減策や食事時間の変更で改善
・窓は閉め、エアコン等を使うようにしました。
・板張りの自室やリビングに畳を敷き、音の響きを軽減しました。
・夕食の時間が待てずに空腹のため泣くことが多かったため、食事時間 を早くしました。
・上記の対応を 1 か月間続け、改めて話し合いをしたところ、「改善でき ていますね」との返事をいただき、その利用者はそのホームでの生活を継続できるようになりました。
5-5この体験後こころがけていること 苦情には迅速、真摯に対応
・近隣住民とのお付き合いは大事です。障害への理解促進につながりま す。苦情等が出た場合は迅速かつ真摯に対応しています。
5-6新規開設を希望される方へ 地域との連携は不可欠
・利用者さんがホーム生活を送るにあたり、地域との連携は不可欠です。「地域で当たり前に暮らす」ことのサポートは大変な部分もあると思 いますが、それこそが地域生活支援の醍醐味だと思います。
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WEBワライフ「愛知県のグループホーム整備促進支援制度②開設までの準備その2」
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