冬になると空気が乾燥し乾燥肌に悩む季節になります。乾燥肌になるとかゆみを感じるようになり、我慢せずに掻いてしまうと皮脂欠乏性湿疹となることがあります。

皮脂欠乏性湿疹とは

皮膚が乾燥して起こる湿疹で、強いかゆみを伴います。特にすねや脇腹といった部位は皮脂が出にくいため、皮脂欠乏性湿疹が起こりやすい部位とされています。

高 齢者に多くみられますが、中には寝不足やストレスの多い人にも起こることがあります。このような人は年齢や体質的に皮膚のバリアー機能が弱く、空気の乾燥 に伴い皮膚の水分量が減少して感想肌が目立ってきます。そのため服が擦れるなどのちょっとした刺激で皮膚炎を起こしやすいのです。

発症する原因

人 の皮膚を守っている要素には『皮脂』『天然保湿因子』『角質細胞間脂質』があります。しかし年をとるにつれて、これらの要素が足りなくなってきてしまい皮 膚が外部からの刺激に弱くなり、かゆみが起こりやすくなります。乾燥した皮膚ではかゆみを感じる知覚神経が皮膚の浅い所まで上昇してきて刺激に敏感になっ ていることが知られています。

室内の乾燥に注意する

エアコンの長時間使用を控え過剰な暖房を止めるようにしましょう。ストーブや火鉢の前にも長時間過ごさないように。加湿器を使用して部屋の湿度を一定に保つようにすると良いでしょう。

入浴時に気を付けること

長時間の入浴は控え、体を洗う際はナイロンタオルや軽石でごしごし擦らないようにし、綿でできた柔らかいタオルを使って体を洗いましょう。石鹸も皮脂を取りすぎない優しいものを選びましょう。

その他の注意点

かゆみを引き起こすようながさがさした素材の下着を避け綿の下着を着用しましょう。飲酒や香辛料を多く使用した料理は控えましょう。

治療方法について

乾 燥で起こる病気であるため保湿剤を塗ることは基本です。特に入浴直後の皮膚が十分に乾ききっていないときに塗って水分を皮膚に閉じ込めるようにすると効果 的です。赤みが出た部分にはステロイド外用剤を塗って早めに治しておきましょう。かゆみが強いときには抗ヒスタミン剤などの飲み薬でかゆみを抑えるよう に。掻けば掻くほどかゆみは強くなり悪化する場合があります。