外見上はわからない場合でも、障害によって困っている人がいます!④コミュニケーションツール編
「気づいてもらうために、知ってもらうために」「気づくために、知るために」~コミュニケーションツール編
発達障害、知的障害、精神障害のある人は、外見からは障害があることがわかりにくく、その症状や反応が多様であり、人とのかかわりあいやコミュニケーションが苦手であるといった特徴があります。苦手なコミュニケーションをサポートするためのツール等ご紹介します。
また障害を持つ人だけでなく、妊娠初期の方など、援助や配慮を必要としている人たちをサポートするためにも活用されるものもあります。
コミュニケーションボード
知的障害者や自閉症の人など、自分の気持ちを言葉にできない、言葉が理解できない人もいます。 そういった方でも、絵記号や写真等を用いて、自分の意思を指差すだけで伝えることができます。
コミュニケーションボードは、様々な自治体や商業施設などに導入されています。場面に応じて いくつかのパターン(鉄道駅用、お店用など)が準備されています。
ただし、すべての人が利用できるとは限らないため、配慮が必要です。
コミュニケーションボードの一例
コミュニケーション支援アプリ
コミュニケーションを支援するための、スマートフォンやタブレットなどでも利用できるアプ リケーションがあります。
※東京都障害者IT地域支援センターでは、障害のある方に便利なアプリ一覧を紹介しています
ヘルプマークとヘルプカード
「へルプマーク」を知っていますか?
援助を得やすくなるように
援助や配慮を必要としている方々が、周囲の方に配慮を必要としていることを知らせることで、援助を得やすくなるよう、東京都福祉保健局が作成したマークです。現在、全国の自治体などにひろがってきています。
以下、東京都福祉保健局HPより
外見から分からなくても援助や配慮を必要としている方々が、周囲の方に配慮を必要としていることを知ってもらう
義足や人工関節を使用している方、内部障害や難病の方、または妊娠初期の方など、外見から分からなくても援助や配慮を必要としている方々が、周囲の方に配慮を必要としていることを知らせることで、援助を得やすくなるよう、作成したマークです。
ヘルプマークを身に着けた方を見かけた場合は、電車・バス内で席をゆずる、困っているようであれば声をかける等、思いやりのある行動をお願いします。
義足や人工関節を使用している方、内部障害や難病の方、妊娠初期の方など、援助や配慮を必要としている方を対象に配布しています。
ヘルプマークを身に着けた方を見かけたら
電車・バスの中で、席をお譲りください。
外見では健康に見えても、疲れやすかったり、つり革につかまり続けるなどの同じ姿勢を保つことが困難な方がいます。 また、外見からは分からないため、優先席に座っていると不審な目で見られ、ストレスを受けることがあります。
駅や商業施設等で、声をかけるなどの配慮をお願いします。
交通機関の事故等、突発的な出来事に対して臨機応変に対応することが困難な方や、立ち上がる、歩く、階段の昇降などの動作が困難な方がいます。
災害時は、安全に避難するための支援をお願いします。
視覚障害者や聴覚障害者等の状況把握が難しい方、肢体不自由者等の自力での迅速な避難が困難な方がいます。
「ヘルプカード」は知っていますか?
緊急時や災害時に発生する困りごとに対し、いざという時に自ら声を出して助けやお願いを口にすることが難しいという方がいます。
また、助けてあげたいけれど何をしてあげていいかわからないという人の声もあります。その両者の架け橋となるのがヘルプカードです。
緊急連絡先や必要な支援内容などが記載されたヘルプカードは、障害のある方などが災害時や日常生活の中で困ったときに、周囲に自己の障害への理解や支援を求めるためのものです。
ヘルプカードは、特に、聴覚障害者や内部障害者、知的障害者など、一見、障害者とはわからない方が周囲に支援を求める際に有効です。実際、役に立った事例が報告されています。
次のような場面で活用できます。
- 災害の場面(発生時・避難時)
- 緊急の場面(パニック・発作・病気の時)
- 日常の場面(手助けを必要とする時)
ヘルプカードの意義
本人にとって安心
「何かあったときに、味方になって理解してもらえる、手助けしてもらえる」―それは、障害のある方にとっては、何より安心です。
家族、支援者にとっての安心
「何かあったら、どうしよう」―緊急連絡先を本人が携帯しているということは、家族や支援者の不安を和らげます。
情報とコミュニケーションを支援
緊急時に必要となる情報をあらかじめ備え持つことができます。さらに、緊急時に支援してくれる人とのコミュニケーションのきっかけになります。
障害、病気に対する理解の促進
ヘルプカードは幅広く知れ渡ることで初めて機能します。そのためには、積極的なPRが必要となります。それによって、ヘルプカードを必要としている人の存在や障害、病気への理解を広めることができます。
ヘルプカードの一例
連絡用のカード
緊急時のために連絡用カードを持っている方がいます。 氏名、所属、連絡先、移動経路、症状などが記載され ています。 障害者手帳等でもわかる場合があります。
1サポートカード
発達障害により、日常生活のさまざまなシーン(例 学校、医療機関など)で上手くコミュニケーションがとりづらかったり、困った時に、ご本人の特徴などを記載し、周囲の方にわかりやすく説明できるようにするカードです。見えない障害のため、どんなことに困っているのか周囲の方に理解していただき、支援してもらえるように作成されました。「ヘルプカード」のように自治体が作成し、配布しているところがあります。
サポートカードの一例(川崎市)
2助けてカード(一般社団法人 日本自閉症協会)
日本自閉症協会が作成した連絡用カードです。
声かけ変換表
発達障害、知的障害、精神障害のある方は、「○○してはいけません」と 否定的な言葉や曖昧な言葉をかけられると、どうしてよいかわからなくな り、パニックとなってしまうこともあります。
「どう話すと理解が得られや すいか?」の参考として、話題となっている『声かけ変換表』が便利です。 「こうすれば○○ですよ」と、効果的な行動を具体的に説明してあげること が重要です。
声かけ変換表の一例
出典
国土交通省「発達障害、知的障害、精神障害のある方とのコミュニケーションハンドブック」
WEBワライフ「外見上はわからない場合でも、障害によって困っている人がいます!①「障害の理解」編」
WEBワライフ「外見上はわからない場合でも、障害によって困っている人がいます!②「基本の応対その1~コミュニケーション~」編」
WEBワライフ「外見上はわからない場合でも、障害によって困っている人がいます!③「基本の応対その2~パニック時の応対と緊急時・異常時の応対~」編」
WEBワライフ「外見上はわからない場合でも、障害によって困っている人がいます!⑤「トラブル時の対応」編」