食中毒は夏だけのものではありません
秋はお出かけシーズンで行楽、運動会、お祭り等、お弁当を持ってお出かけになる機会が増えると思われますが、食中毒が起こる可能性を頭に入れて頂きたいと思います。食中毒と聞くと夏に起こるイメージが強くありますが、油断は禁物です。食中毒は季節を問わず、年間を通して発生しています。お弁当等の大量に調理されたものや調理されてから長時間の食品は食中毒の原因となります。残った食品も時間が経ったり、ちょっとでも怪しいと思ったら思い切って捨てましょう。
【秋の食中毒】
秋口に注意したいのは腸炎ビブリオによる食中毒です。腸炎ビブリオは、海の中に潜んでいて、魚介類に付着します。特徴的なのは、一般の細菌に比べ、増殖す るスピードが速いのであっという間に菌が増えていくことです。刺身や寿司など、生の魚介が入った仕出し弁当などは十分注意して下さい。また秋には自然毒で 起こる食中毒が発生します。キノコは10月、フグは10月〜12月に多いとされています。ハイキングに行って知識のない素人が気軽にキノコを採るのは危険 で、命にもかかわりますのでやめましょう。
【冬の食中毒】
近年、冬の時期にはノロウイルスによる食中毒が猛威をふるっています。ノロウイルスによる食中毒は1年を通じて発生していますが、特に冬に多発する傾向に なっています。10月〜2月の間に全体の7割が発生しています。ウイルスに感染汚染されたカキなどの2枚貝を生で食べることで食中毒になります。人から人 へと感染していくので特に集団生活を送る学校、福祉施設、病院等で集団感染が発生する場合があります。症状は下痢、おう吐、吐き気、腹痛などを起こしま す。子供や高齢者は、ノロウイルスに感染した場合に重篤化しやすいので、特に注意が必要です。
食中毒予防の3原則は、食中毒菌を「付けない」「増やさない」「やっつける」
そして全ての食中毒予防の基本は、何と言っても、こまめな「手洗い」です。