【介護】「香り」×「ふれあい」から生まれるコミュニケーションヒーリング(平成25年初夏号掲載)
「アロマハンドトリートメントケア」をご存じですか?
この言葉には「アロマ」「ハンドトリートメント」「ケア」の3つの要素が含まれています。
1つめの「アロマ」とは「アロマテラピー」の略で、日本語に訳すと芳香療法になります。
植物の香り成分である「精油」の力を借りて、自律神経・免疫・内分泌を整え、心や身体のトラブルを穏やかに回復し、健康や美容に役立てていこうとする自然療法で、海外では医療行為としても承認されているそうです。
精油(エッセンシャルオイル)は、植物に含まれる揮発性の芳香物質のこと。「オイル」という単語が付きますが、いわゆる「油」ではなく、水に溶けにくく油 に溶けやすい性質を持っています。「精油」は100%天然物質であり、希釈などの処理をしない完全成分だけのものを指します。
2つめの「ハンドトリートメント」とは、手、もしくは手と腕に「タッチング」と「マッサージ」といった触れる行為を通して行う療法です。
「ハンドトリートメント」は、①施術者と受け手が、お互いに目を合わせられる位置で触れることによって行われる「コミュニケーションヒーリング」と、② マッサージオイルを使って行われる「アノイント」と呼ばれる経皮吸収による心気体の浄化・活性・滋養の2つを目的としています。
3つめの「ケア(CARE)」は、よく耳にする言葉ですが、その意味合いは多岐にわたります。親が子供を育てるのも「ケア」ですし、家を住みやすく保つことも「ケア」です。
狭義では今日、介護や看護を指しますが、大まかには相手の気持ちに配慮し、気を配ること、物を手入れしたり、メンテナンスを施すことによって良い状態を保つこと、といった意味でしょうか。
相手を「ケア」することによって、自分と相手の間に良い関係を保つことができる。その結果、自分自身も満たされることが、本来「ケア」の持つニュアンスなのです。
今回ご紹介する伊藤貴美子さんはAHTA(アロマ・ハンドトリートメント・アソシエーション)の公認プロフェッショナルで、「介護のためのアロマハンドト リートメント」などいくつかの講座でインストラクターをしながら、老人介護施設などでボランティアとしてハンドマッサージを行っています。
ハンドマッサージを受けた経験のないお年寄りや、認知症の方などは、最初は大変不安げな様子なのですが、途中からはとてもリラックスし、最後まで受けてくださるそうです。そして、次回の訪問を楽しみにしてくださるのだとか。
マッサージをしていると「こころが開く感じがする…というのでしょうか。ぎゅっと固くなった空気が和らぐ瞬間を感じます」と伊藤さん。受講者も一般の人から介護施設で働くスタッフ、家庭で介護をされている方まで様々だそう。
年齢や性別、心身の状況に関わりなく行えるアロマハンドトリートメントは、お互いに気がつかなかったお互いの心の状態を分かり合えるケアであり、かつ精油 を通して直に手で触れる・触れられることによってストレスを緩和し、本物の心の安定を促すことのできる方法といえそうです。
講師やセラピストの派遣について…
一般社団法人 アロマハンドトリートメント協会では、企業様・各種団体・医療関係など様々な分野に講師を派遣しております。また、施設や各種イベント会場へセラピストを派遣することも可能です。詳しくは協会ホームページをご覧ください。
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今回取材にご協力いただいた伊藤貴美子さんは、カルチャースクールにて講座を開講しています。担当されている講座は下記のとおり。
□とよはし中日文化センター
『介護のためのアロマハンドマッサージ初級/中級』
4月期:初級4月17日〜/中級4月3日〜
□岡崎中日文化センター
『介護のためのアロマハンドトリートメント 初級』
4月期:第4水曜 夕方6時30分〜夜8時
□SALAくらしときめきアカデミー豊橋
『介護のためのハンドトリートメントケア 初級/中級』
4月期:初級/中級4月8日〜
※どの講座も途中受講可能
※初級・中級同時受講可能