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【介護】新刊紹介『「訪問マッサージ」活用術』(平成24年12月号掲載)

新刊紹介『「訪問マッサージ」という選択』

■まだ知られていない保険適応の在宅治療
高齢者が事故で骨折して入院する。または、脳卒中などで入院し、完全に回復していない状態で退院するという状況があります。その後、自宅に戻ったとして も、通院が困難なためにリハビリテーションが受けられず、麻痺が残ってしまう。あるいは、そのまま寝たきりになってしまうことがあります。
家族だけでの介護には限界がありますし、理学療法士のリハビリ指導を受けるには介護保険の枠内でのやりくりに頭を悩ませなくてはいけない場合も。
この本で紹介している「訪問マッサージ」「訪問鍼灸」は、巷のリラクゼーションを目的としたマッサージとは違い、国家資格を取得したマッサージ師による医 療ケアです。患者の症状に合わせて関節のこわばりを緩和したり、寝たきりでも必要な筋肉が落ちないように軽く筋肉を使う施術などが自宅で受けられます。
文中では、まだ認知度の低いこの療法を受けるにはどうしたらいいのか、その手順や期待できる効果、料金などがわかり易く紹介されています。実際に施術を 行っている治療院のリストや、その院長による治療・回復のエピソードも多数掲載されており、現在自宅で高齢者を介護している家族の方には大変参考になるで しょう。

■ケア・マネジャーさんにこそ知ってほしい、「訪問マッサージ」のメリット
国は医療制度改革のなかで、在宅療養の推進を挙げています。増える一方の高齢者医療費問題や、不足する施設・介護者・医療従事者の現状の中で、介護現場を医療施設から自宅へと移行していく動きはすでに始まっています。
家族と共に高齢者の在宅復帰を支援していく立場のケア・マネジャーさん達は、この国の措置については十分理解されていると思います。理解されているが故に、そうした変化によって起こりうる事象について危惧されているのではないでしょうか。
健康保険で受けられる「訪問マッサージ」は、今後プランニングの重要な選択の一つになるかも知れません。要介護者やその家族から提案を受けた時のために、この本で準備しておくのもいいのではないでしょうか。

名称未設定-1『「訪問マッサージ」活用術』
著者:藤井宏和
出版:現代書林

 

 

 

 

 

 

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著者の藤井宏和(ふじい・ひろかず)さんは日本訪問マッサージ協会代表。協会の理念は「患者様がすこやかな笑顔に充ち溢れ、心豊かに自宅や介護施設で生活していただくために、温かみのある訪問マッサージを提供する」
本誌掲載のりょうび堂治療院(豊橋市)も紹介されています。

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