【医療】熱中症(平成24年7月号掲載)
梅雨明け7月下旬から8月上旬に多発する傾向有り
65歳以上の熱中症発生数が、熱中症死亡総数に占める割合は、1995年は54%でしたが、2008年は約72%、2009年は約69%におよび、近年増加傾向にあります。
熱中症とは高温環境下で、体内の水分や塩分(ナトリウムなど)のバランスが崩れたりなどして、発症する障害の総称です。死に至る場合もありますが、適切な 予防法や応急処置を知っていれば、心配いりません。しかし、現状を見る限り、熱中症の知識が十分知られているとはいえないでしょう。
「高温」「多湿」「風が弱い」といった環境では、熱中症が発生しやすくなります。最高気温が30℃以上の日(真夏日)や夜間の最低気温が25℃以上の日(熱帯夜)は熱中症を引き起こす危険が高まります。
「高齢者」「肥満の人」「普段から運動をしていない人」「暑さになれていない人」が熱中症になりやすく、さらに、心臓疾患、糖尿病、精神神経疾患などの治療のために服薬している方も、薬の影響で脱水を招くことがあるので、注意が必要です。
熱中症の発生場所では、若者が「運動中」「仕事場」が多いのに対し、65歳以上では「住宅」が多くなっています。高齢者は①「暑い」と感じにくくなる② 発汗・皮フ血流量の増加が遅れ、量も低下する③のどの渇きを感じにくくなるといった傾向があることも原因の一つといえるでしょう。
日常生活の中での注意点としては、①暑さを避け、服装を工夫する②こまめな水分補給③暑さに備えた体づくり…などが挙げられます。特に、②については、 軽い脱水状態の時にはのどの渇きを感じにくいため、のどが渇いたと感じる前から水分を補給しておくことが大切です。また、部屋の温度をこまめに測り、適宜 エアコンなどで室温を調整することも必要です。
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参考:「熱中症 環境保健マニュアル2011年5月改訂版