短期入所療養介護 短期間の機能訓練を行う介護サービス
短期入所療養介護とは、病気の状態が安定しつつある在宅の要介護者に介護療養型医療施設や介護老人保健施設に短い期間入所してもらい、機能訓練や介護、必要となる医療、日常生活上の世話を提供するサービスです。
主に介護療養型医療施設や介護老人保健施設、療養病床を持つ病院や診療所など、一定の基準を満たした診療所が都道府県知事の指定を得てサービスを提供しています。
対象者について
短期入所療養介護は、介護者の負担を軽減し、介護者の身体的および精神的な休息を与えるという役割があります。それと同時に次のような医療上の課題を有している人にも対応できる点が特徴です。
・認知症の症状が顕著になってきた人
・併発症、合併症のコントロールが必要な人
・医療スタッフによる管理が必要な人
・リハビリなどの機能訓練が必要な人
・疾病のコントロールができない人
短期入所療養介護では、入所中にこれらの問題の解決や病状の把握を行い、在宅復帰後の介護に生かす役割があります。そのため、入所中にサービス担当者と情報交換を行い、施設が作成する短期入所療養介護計画と連携を持たせることが必要となります。
サービス内容
短期入所療養介護では、次のようなサービスを提供しています。
・認知症の方の介護
他の居宅サービスと比較し、短期入所療養介護では長い観察が可能であることがメリットの一つです。認知症高齢者の問題行動が目立つ場合でも、状況をよく理解して適切かつ柔軟な対応が可能です。
・リハビリテーション
ある部分に焦点を絞ったリハビリテーションを集中的に行うことは、高い効果があるとされています。在宅復帰後のことを考え、利用者と家族が毎日行うことのできるメニューを作成するのもいいでしょう。
・疾病の医学的管理
医療系スタッフによる在宅では行うことが難しい検査や処置を集中的に行うことができます。在宅医療管理を行っている利用者にも有効で、医師の診療や助言を在宅療養生活に生かすことができます。
この他にも、利用者の病状が悪化したときのために、一般急性病院への移送や、本人の希望を尊重したケアなども行っています。
サービスの費用
サービス利用の対象となるのは要介護1以上の認定を受けた方が利用可能です。事業所が介護老人保健施設の場合で部屋のタイプが従来型個室の場合、要介護1で1日あたり754円の費用が必要となります。
利用料は要介護度が上がるほど高くなり、従来型個室で要介護度5になると971円ほどになります。また、事業所が病院の療養病床で部屋のタイプがユニット型の場合で要介護5だった場合には1日1369円の利用料がかかるようです。